それは日も暮れた最終バスで
全員降車した無人バスに(←心霊バスではありません)
学校帰り、ナゼか
オバァさんチ近くから乗って来た
ミキちゃんです
開口一番
「ミキ今日も終点まで行ってから帰るから」
「なんでや?15分しか変わらんのに」
「ちょっとでも遅く帰りたいねん、ケンカしたから」
バリバリバリ
「またかいな、よぉケンカするなぁ」
「ホンマ腹立つわ、あのババァ…ボリボリ」
「親にババァとか言うな!…え?お母さん?」
「他に誰がいてるん?ボリボリ」
「てっきりお父さんかと…まだ入院中か?」
「お母さんやっちゅーねん、ボリボリ」
「だいたいアータラコータラ」
しばらく話を聞くと
もう子供同士のような言い合いしたようです
「お母さんも子供みたいやなぁ、いくつや?」
「37、ボリボリ」
「37かぁ…ん?62ひく25っていくつや?」
「45、ボリボリ」
「即答でウソ言うなや!」
「なんの計算?」
「おっちゃん25の時子供出来たから、同じぐらいかなって思って」
「あ〜それで25引くん?70から25引いたら……45やん、ミキさっきいくつって言うた?」
「45」
「合ってたやん、すごない?ボリボリ」
「エスパーか!てか70ちゃうし」
「ってか、さっきからなに食うとんねん!」
「お菓子やで、ボリボリボリボリボリボリ」
「やめぇ!耳元で」
「なんかこんなん流行ってんやろ」
「ってミキストレスで食べるタイプやな」
「あ、そうかも?」
「ダイエットの神でテレビ出れるようなるわ」
「ナニそれ?今でさえ太ってるのにさらに太るって言いたいん?そやねんな?」
「うん」
「なんか腹立つ!」
「とにかく歌歌うとか違う方法にせぃ」
「おっけぃ!」
「え」
「なんやそのシモタァ!みたいな顔は!」
「いや、別に…」
「あなぁたの〜キスを〜数えましょう〜」
「前聞いたな」
「じゃあ何がいい?」
「スコールとか好きやな」
「どんなん?」
「わたし〜恋をして〜
「最初から!」
「さっきまでの〜通り雨が〜ウソみたいな〜んちゃら、かんちゃら」
「知らんのかい!」
「他には?」
「チェリーとかミキに合ってんちゃう?」
「どんなん?」
「恋して、たんだ気づいて」
「気づいてないでしょ〜」
「ドレミファドンみたいに知っとるな」
「他には?」
「面倒くさいわ、コレの中から選び」
と、スマホの音楽アプリを出すと
「そばかすの天使知ってる、あんたのバラード知ってる、初恋ってどんなん?」
「好っきだと言えず初恋〜わぁ」
「初恋〜わぁ〜」
「振り子細工の心〜」
「なんで知っとんねん」
「えー歌やから」
「あ、そぅ」
「ロンリーハートって?」
「うかれ飛ぶ〜街にムーンライっ」
「ふーん…」
「知らんのはそぅいうパターンなんや」
「魂を抱いてくれも知ってる」
「なんで?」
「お父さん歌うから」
「そういや年代なんやなぁ」
というてるウチに降車場所に近づきます
「三日月って?」
「それはミキ知ってるやろ」
「歌って」
「ちゃちゃらちゃちゃちゃちゃん…」
「サビんとこは?」
「ちゃーちゃーちゃちゃちゃちゃちゃちゃん、あれ?魂を抱いてくれになったわ」
「分からんわ!分かりやすくできんの?」
「あん、あん、あん、あぁ~ん、き~み「気持ち悪いねん、あんあん」のぉ…」
「分かりやすく歌ったのに」
「頑張っているからねってヤツや、分かったから帰るわ、バイバイ」
そういって笑いながら降りた彼女でしたが
古い曲を数多く知ってるのと
三日月のサビと
魂を抱いてくれの最初の部分が
似てる事が分かりました