それは
割と暖かい日のまぐトル号乗務の時でした
1月の中頃から観光の方は激減し
乗車される方はかなり少ないです
まぐトル号のルートです
そんな時期に出発点の次の
ホテルで杖をついた
オジィさんが一人でいました
別にオジィさんが珍しくありませんし
一人のお客さんも珍しくありません
でも
オジィさんが一人で観光ってのは
珍しいです
子供さんと一緒に来て
別行動なんかな?
そう思って
「どんなご予定です?」
「……………」
聞こえんらしい…(・・;)
これ以上話せない重い雰囲気です
橋杭岩…降車なし
潮岬…降車なし
「お父さん、樫野灯台ですか?」
「うん」
「了解です」
いつもなら
ここから聞かんでいい事まで聞いたり
言わんでいい事まで言うたりしますが
この身なり
もしかしてホテル近所の地元民かも
と思えるぐらいの感じ
なんとなく重い空気が抜けない車内に
そんな空気を読めず
こんな曲や
こんな曲が
能天気に車内に流れます
まぁ、自分で選曲してるんですが
派手になっていいかもだけど
どっちかっちゅーと
美空ひばりとピンキーとかやろなぁ…
どっから来たのか聞こうかなぁ…
と思ったら
ウソじゃなくホンマにタマタマです
話したくないんや…(←字が違う)
やがて樫野灯台に着き
降車されました
次に迎えに行くと
ボソッと
「ここは前に妻と来たな…思い出した」
「そうなんですかぁ…」
奥様亡くなったのかなぁ…
聞くに聞けない…(・・;)
そんな空気も読まず
こんな曲や
こんな曲が流れてきやがる…
少し老犬らしからぬ雰囲気の
2時間でした