中学生のばあさんとキャラメル | ゼファオス~アラカンライダー~

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先日の朝


久しぶりに中学生のミキちゃん

バスに乗ってきました


「おはよー」


「おはよ、そろそろ老犬さんの番やとイヤな予感しててん」


「ほーいきなり悪態か」


「へへーん、なぁ、4と5とどっちが好き?」


「ん?シカゴ?ブルズ?」


「なんそれ?ワケ分からん事言わんでいいからどっち?💢」


「どっちかやったら4かな?」


「奥様はどっち?」


「さぁ…なんで?」


「だから余計な事要らんからどっち?」


「じゃあ5かな」


「なんで?」


「4って縁起悪いから」


「え、じゃあ老犬さんは縁起悪いんが好きなん?」


「オレには良い数字やねん」


「ふーん…じゃあコレ」


と 彼女が渡してくれたのは

手作りのキャラメルです



「奥様のは5個入りな」

「マジか…ミキ作ったん?」

「うん、ちょっと甘すぎやけど」

「へぇ~ありがとう、いただくわ」

「中にクランチ入ってるから気をつけてな」

「気をつけるって?」

「ミキのおばあちゃんな、ノドつめんようにもう少し小さくしたんやけど クランチが歯に挟まったからって爪で取ってたら今度は爪が挟まって抜けんようになってん」

「それは笑えるな、オレなら歯抜けの所に丸々入るわ」

「それなら入れ歯代わりやん」
「おばあちゃんガム噛んでて なんかオカシイオモタら入れ歯も抜けてたで」

「ヒィー!おばあちゃんと友達になりたいわ」

「それはおばあちゃんがイヤがる思うわ」

「なんちゅー事言うねん…」

「あ!」

「あ、がどーした?」

「老犬さんいつもミキの歌バカにするから練習してきてん、聞いてくれる?」
「ってか聞け」

「う、うん」

そして彼女は歌い出しました

「どう?」

「いや…相変わらず下手やけど」

「なんでやねん、前より良くなったとか もう少し頑張れとか 言い方あるやろ!」

「なんなら前より悪いで」

「そんなん言うてるからモテへんねん」

「ウスラでかいお世話やわ」

「今好きな子の歌も作ったんやん、歌うで」

「えーのか?もう少しで乗ってくるトコ着くけど」

ホンマ 奇跡的に
気になる男の子が乗ってくる直前に
歌い終えました

「ほれ、乗ってきたで もっかい歌いや」

「ホンマに老犬さんってデリカシーないな」

「そぉ?後ろ行って隣に座ったら良いやん」

「そんな恥ずかしい事…老犬さんやったらデキる?」

「オレはデキるよ」

「年いってるからやろ?ミキの年頃はアカンの」

「女子か!」

「え?」
「女子やわ!一瞬違うんか思たわ」

そうこう言ってるウチに
バスは学校の近くに停まり

子供達は降りて行きましたが

彼女とその子は
何故か左右に別れて登校して行きました