学校帰りのミキちゃんが乗って来ました
彼女より小さな男の子と一緒です
同じ中学生同士
仲良くケンカしてるように見えたので
しばらく黙って聞いてました
彼がいつもミキちゃんが座る
運転席の後ろに着座し
彼女は左の窓際に座りました
彼はこもった声で話すので
運転しながらだと
非常に聞き取りにくいのですが
その中で 彼は
『ミキちゃん』
と呼んだり
『ミキ』
と呼んだりしてるように聞こえてました
さらに
『誰とでも寝る女』とも
誰の事を言ってるのか分かりませんが
確か 1年生のハズ
ついこの間まで
小学生だった子供の発言に驚きました
その彼が 降車した後
ミキちゃんは 前のシートの背もたれに
顔を近付け 黙ってましたが
左のミラー見ると視界に入る
しばらくすると
運転席の後ろに座り直します
すると
『なんか目が痛い…』
え? ミキ もしかして泣いてる?
一瞬で 全てを理解しました
『そんなにシートに顔寄せるからゴミ入ったんちゃうか?』
『……うん……』
『あの子 後輩やろ?』
『……うん……』
『たまに ミキって呼び捨てするんは何?』
『ううん ミキちゃんって呼ぶけど…』
『ミキの事 誰とでも寝る女とか ビッチとか言うねん』
どうやら ミキって聞こえてたのは
ビッチだったようです
『ビッチって……意味知ってるん?』
『なんとなく…』
なんだこの沸き上がる怒り❗️
他人様の しかも子供の発言に
怒りが沸き上がる ただの運転手
『今度 言うたるわ、怒る事はできんけど 大人として注意したる』
『うん…』
『バスのアイドルに なんちゅー事言うねん』
『え?ミキ アイドル?』
『あ、いや…バスの中のじいちゃんばあちゃんだけな…外は違うやろ?な?』
『だいたい 老犬さん ミキがバス停に立ってる時 胸ばっかり見てるやろ!』
『なんでオレがミキの胸の観察せにゃならんのだ?』
『だって ミキの胸大きくなったとか言うやん』
『それは多分 オレじゃないぞ?』
『ほら、多分やん 前に言われたもん!』
なんだこの変わり身の早さ❗️
『いや、オレはミキが大きくなったとか 顔が大きくなったとか 歌がヘタすぎるとかしか言うてない』
『歌ヘタとか 今だすなや!』
そして 降車の時になりました
『バスの中でなんかあったら いつでも言うてこいよ』
『うん、バイバイ!』
『あ、それとな…胸大きくなったとか オレ言わんから』
『オレならチチでかなったって言うから』
『よけい変態やん!』
そう言って
彼女は笑顔で帰って行きました
考えたら
その少年に次会えるのは
2学期に入ってからになります
とても覚えてる自信はありません。:+((*´艸`))+:。