いつものミキちゃんのバスに
当たりました(←もはや軽い事故)
その日は雨
傘を持ったままバスに近づき 乗り込む彼女に
『おはよ 傘はさすもんやで』
『うるさいな 早く乗れるようにしてるねん』
『うるさくないように小さな声で喋ってるで』
『そのうるさいとちゃうねん!』
『そう?2学期の成績どやった?』
『下がった』
『声 ちっちゃ!』
『そんでな!ちょっと聞いてくれる?』
と 成績が下がった事で親から言われた事を
早口言葉のように話し続けたあと
『で、老犬さん ミキなんか変わったん気がつかへん?』
『ん? 太ったか?』
『アンタ ホンマ失礼やな!痩せたし』
『え?ほな何や?』
『髪 切ったんやで、乗った時わからん?』
『わからんわ なんも変わってないやろ』
『10㎝も切ったのに』
『年末にか? ほな9㎝伸びたんちゃうか?』
『怖い人形ちゃうしな!そんなんやからモテへんねん』
『ほっとってくれ、ってか 髪切ったとかは必ず怒られる』
『誰に?』
『おばちゃんとか』
『また言うた、奥さんの事 おばちゃんって言いな!』
『そこは えぇねん』
『よくないけど…男の子らに キモいって言われへんかな…』
『なんで?』
『髪切ったからやん』
と あまりにも自信がないようなので
振り返って顔を覗いてみても
そんなに変わったイメージはありません…
『こら!』
『ん?』
『なんかないん?』
『わざわざ振り向いて ミキの顔を3秒も眺めといて あぁ可愛いなぁとか いつもと同じやんとか やっぱ似合わんとか フツー言うやろ?』
『それを何事もなかったかのように 前見てヘラヘラしながら運転して』
『こっちかて なにか言われる思ってどう返事しようかまで考えてるのに』
『なにか ありませんか?💢』
『え…と… もっぺん言うてくれ』
『言えるかぁ!💢』
『だいたい さっきから乗ってくる人たちには
おはよう!ありがとう!って 高い声出すのに ミキには低い呪われた声で喋ってるし』
『なんか 3学期早々怒りっぽいな…オセチ食べた?』
『オセチ関係ないしな!ってかオセチって食べるモン?』
『食べな どうすんねん』
『あれは大人が食べるモンで飾りモンやん』
『まぁ 子供が好むモンは少ないかな…』
『そんなん言うたら 黒豆好きな子とか どうすんの?』
『え?ミキ好きなん?』
『キライやけど』
『なんで言うたんや しかも黒豆って』
『いや、それより今日 ホンマに学校あるん?』
『あんな大きいモン すぐ無くならんわ』
『ちゃうやん、今日 学校行って誰もいてなかったらどうしよ?』
『次のバスで帰ったらえぇやん』
『他人事や思って簡単にいいなや…』
『あるから はよ行け』
そう言って バス停で彼女は降りて行きました
ここに書ききれない事も山盛りありますが
休み期間中のうっぷんを晴らすかのように喋った彼女
次のバスには 乗らなかったので
しっかりと学校はあったようです(^-^)v