学校帰りのバスでも元気なミキちゃんです
他に利用者は一人しかいません
『なぁ お客さんおらんようになったら 歌っていい?』
『うん……え?なんて?』
『一回で理解せぇよ~ 半端な返事してから』
『この歳になると 分からんねや』
『歌 歌いたい気分やねん 一人になったら』
『今 歌ったらいいやん』
『恥ずかしいやん…ミキ下手やし…』
『はぁ?オレいてるんやから一人にはならんで』
『アンタはえぇねん』
もう一人の利用者さんが
下車する所を知ってる彼女は
一人になった瞬間から
流行りの歌を 次々と歌い始めました
『そんな言うほど 下手ちゃうやん』
『ホンマ? イケる? 嬉しい』
『上手くもないけど』
『アンタ ホンマに一言多いねん❗️』
『でも 楽しいからいいやん』
『それって 遠回しに下手言うてんやん』
『いやいや オッチャンが中学生の時より上手いよ』
『そんなん 嬉しないわ❗️』
『泣いてしまう歌とか まだないやろ』
『あるよ、また逢う日まで ってヤツ』
『え?』
『尾崎ちゃうで?』
『ビックリしたぁ~』
彼女のいう歌は
卒業式の際 自分たちで選曲して歌った
この曲だそうです
そして 彼女が降りた後
自分の娘が中学生の時に
カラオケで よく歌っていた曲を思い出し
誰もいない車内で一人歌いながら
懐かしさと恋しさに 泣きながら帰りました
年寄りは 涙もろいです( *´艸`)