もちろんミキちゃんの話です
朝のバスに乗ってくると
『ヘアアイロン買おうかな』
『なんで?おしゃれしたいのか?』
『クセ毛ヒドイねん』
『そうなん?キレイにまとまってるみたいやけど』
『老犬さん、クシ欲しい』
『なんでオレがクシ持ってる事があるねん』
『そんなもん分かってるわ❗️クシ欲しいって言うただけやん』
『名指しで独り言 言うなや ホレっ』
と 言って左手の平をかざしてやりました
『なに? どしたん?』
『オッチャンがいつも使ってる テグシや』
『要らんわ❗️キタナイ❗️』
『き…キタナイ… ひどい……』
『ひどない❗️そんなん変態やん』
『おやおや そんなお年頃ですか?』
『そういえばさぁ… ミキって普段どんな服着るん?』
『帰ったら すぐ除菌して風呂入って すぐ部屋着』
『いや、そやなくて 例えばデートの時とか』
『あ、お出かけの時? 小学校の時毎日見てたやん』
『今や今❗️』
『最近 なんかお腹を入れて背中はズボンの外に出すん流行ってるやん』
『え?そうなのか?』
『そやで その上から長いの重ねる』
『そうなんや やっぱおしゃれ考えるんやな』
『でな、ショートパンツにしたら 男子が脚見たない❗️って言うねん』
『脚って いつも出すやろ?』
『学校では仕方ないけど 普段は見たないって だから下はジーパンかな』
『それはウソやな、男なら見たいハズや
恥ずかしいから言うとんねん』
『そうかな?ホンマに言うてんで』
『オッチャンなんて 中学の時は ブラしてない女の子に水かけて透かしてたで』
『アンタ ホンマ最っ低やな、やっぱ変態やん』
『男なら それが普通なんや』(←違うと思う)
『ふーん…変態の痴ほう症に言われても』
『そや、老犬さんチに泊まりに行っていい?』
『おー、かまわんよ、おいで』
『やっぱいい そんなホイホイ来ていいって言われたら なんか嬉しくない』
『どないせぇっちゅうねん…』
『それより 今度の体育祭見にきてよ』
『いや、オッチャン仕事やし…』
『てか 家族以外アカンやろ』
『ううん 3人までならいいらしいねん』
『ふーん… よっしゃ 休み時間に少し見に行くわ』
『え? そんな簡単に来れるん?』
『ウチの車庫からなら 車で3分ほどやろから』
『………』
『そんな 言うんじゃなかったって顔すんなや』
『痴ほう症やのに覚えとけるんかと思って…』
『ウッサイわ❗️ 着いたから はよいけ』
そして彼女は
他の利用者さんにも 行ってらっしゃい と
見送られて降車して行きました