彼女の卒業前日でした
『おはようございます』
『おはよう……あれ?』
いつもと変わらぬ姿で 元気いっぱいなので
老犬も元気をもらいます
『明日 卒業式ちゃうの? 今日は授業あるん?』
『うん、国語1時間だけやって あとは準備と予行……ランドセル要らんかったかな?』
『でも いろんなモン持って帰らなアカンやろ』
『持って帰る袋は別にあるねん』
『ほな要らんやろ~』
『筆箱と国語の教科書しか入ってないし』
『ほな要るやろ~』
『どっちやねん❗️』
『まぁ 最後のランドセルやろ、持って行きや』
『当たり前やろ、バス乗ってしまってんのに
今から置きに行けんしな そんなん分からん❓』
『はい、すいません…』
『あ~ぁ 明日卒業式 ミキ泣くかな?』
『なんで? 全員繰り上げで同じ中学に上がるんやろ?』
『1年生とか もう会えんくなるやん』
『あぁ 3年までとは会えんな』(←全校で100人程度)
『それと先生か』
『やろ?ミキ ハンカチ持って行っとこ』
『バスタオル持って行っとけ』
『あはっ、中学になったら バスの時間合うんかな』
『まぁ当面 大丈夫やろ オッチャンはミキが入院してた頃からやからな ちっちゃくて可愛かったのに 中学かぁ』
『なによ そんな今は可愛くないみたいに言うなや 失礼やな❗️』
『え、可愛い思ってん❓』
『思ってる 老犬さんも思ってるやろ❓』
『まあ……思ってるけど』
『だから オッチャンは ミキが制服着てるん見る方が泣けるかもやわ』
『バスタオル2枚持って来とき』
『え?入学式とか制服で行かなアカンの?』
『フツーそやな』
『体操着でいいのに…』
『なにしに制服買ったんや』
『上履と体育館シューズもあるんやで
どう違うん?』
『俺に聞くな』
『ミキ 文科部に入ろ思ってんねんけど』
『へぇ~ そうなん?』
『帰りのバスとかあるん?』
『知らんがな……バスの時間に合わせて帰ったらえーやん』
『そんなんクラブでできるん?』
『だから俺に聞くなって』
『アンタ ホンマ役にたたんな』
と
なんだかんだで 進学を楽しみにしてるようです
が
孫に近い年頃の彼女に
老犬は 娘の子供の頃とダブらせて見てたようで
やはり少し寂しく感じます