不思議な子供 | ゼファオス~アラカンライダー~

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ゼファーな日々とバリオスな日々とたまに仕事の日々

いや、あの… 不思議と言っても

超常現象とかとは 違うような違わんような…


今日は バイク登場しません、あしからずニコ



それは もう2年も3年も前の話で 暑い時期やったか 寒い時期やったかさえ わかりません


堺市内に 塩穴(しおあな)って 交差点があって 交差点のすぐ北側にバス停があります


うちの汚れ犬の 多分半分以上は 出庫してから そこを通って堺東や大阪市内へ向かいます

うちのだけじゃなく 他の会社のタクシーも


老犬は 出庫が遅いので やたら混む 塩穴の交差点とバス停を迂回して通ります

10時回ると 横の路地が通れるようになるからです


なので 今でもそうなんですが 塩穴の交差点を通るのは 稀な事なんです


その日は 南の方にある病院に お客さまを送った後だったんで

たまたま通りました

すると 塩穴のバス停の5m先で 手が上がりました


老犬に限らず 汚れ犬たちは一部を除き

道ばたで手が上がると 停まるという習性があります

道を説明してる人や 腕時計を見ようとしてる人

時には 御堂筋脇にある モニュメントにさえ反応する事さえあります

なので 当然老犬も停まりました


停めたのは小学生の 3年か4年生ぐらいでしょうか?

『あれ?ボク一人?』

周りに親御さんらしき人は無し

『あの…』

少年は かぶってた帽子をとって 丁寧に シッカリハッキリと話しかけてきました

『出島の消防署には どう行ったらいいんですか?』

『あー おっきい消防署やな、あんな ここ真っ直ぐ行ったら 御陵通りってのがあるから そこ左に曲がったら突き当たりや』

『はい、何分ぐらいかかりますか?』

見ると 横に自転車が あります

『自転車でか? 20分ぐらいかなぁ』

『はい、ありがとうございます』

と 老犬 仕事に戻ります

バックミラーを覗くと 少年は同じ場所に立ったままです

あれ? もしかして乗せて欲しかったんかな?

もっと ちゃんと聞いてあげたらよかったかな?



なんて 出来事があったのも スッカリ忘れてしまった 数ヵ月後

またも たまたま通ったら

上がった手に反応して停まると

『出島の消防署には どうやったら行けますか?』

『あれ? こないだの子やんか  前ん時 行けんかったか?』

『どうやったら行けますか?』

『よっしゃ、おっちゃんもうまいこと言えんからな、そこにも消防署あるから そこで聞いて地図書いてもらい』

『はい、ありがとうございます』

しかし、その後は前回と同じ

その場から離れません


そもそも バス停に ようけ人居てるんに なんでタクシー停めて聞くかな?


さらに 数日後

また 手を上げてるとこを目撃

その時は 老犬 お客さまを乗せてたので停まれず


さすがに 気になって 他の汚れ犬に聞いても みんな見た事ないとおっしゃる


ほんに不思議な子じゃ


さらに どれぐらい経ったのか…

また 遭遇しました

『出島の消防署には どうやったら行けますか?』

『なんで行くん?  家どこや?』

『どれぐらいかかりますか?』

『よっしゃ、おっちゃん連れてったろ』

『いえ、大丈夫です   ありがとうございます、自転車で行けます』

『…そうか、道、分かるな? 気をつけて行くんやで』


その時 初めてバックミラーには映りませんでした



その次 通った時

意識して 少年の立ってた場所を見ると

枯れてドライフラワーになったような 花束らしき物がありました


マジか!?

まさか あの後 事故にあったか?

しかし そんな話 聞いた事ない


それとも 最初に会った時は すでに…?


真相は 解りません

今でも どっかで元気いっぱい 手を上げてるかも知れません


ただ 老犬は あれから一度も見かけません


今日 なんでこんな話をしたかっていうと


たまたま 昨日その近くにお客さまを送ったら

その場所に 枯れた花が見えたから

この 不思議な子との体験を思い出したのです