指定前教習の思い出(きっかけ編) | 西風日記

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「指定前教習(モニター教習)」って知ってますか?

自動車教習所は「指定校(公認)」と「届出校(非公認)」に分かれるのですが、技能試験まで教習所で行う指定校の方が一般的で、届出校は一発試験を受ける人のためのいわゆる練習場です。
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指定校はコースがあって指導員がいれば何でも教えていい訳ではありません。人・物・施設等の環境を整えた上で、更にそれなりに実績を作らないと指定校として教習をする事が出来ません。

実績ってどれくらい?といえば、その教習所で教習を受けた人を10人、公安委員会の技能試験(俗に言う一発試験)をクリアさせなければいけません。しかも連続で10人です。

資格だけあってもダメ、実質的な指導能力が問われるという事ですね。

そんな教習所の運命を決める(←大げさ?)精鋭10人を鍛え上げるのが「指定前教習」と言われるものです。

教習は何時間乗っても無料、ただし技能試験(一発試験)に間違い無く合格するレベルになるまで徹底的に指導を受けます。

僕が通ってた教習所は違いましたが、普通のお客様が受ける教習では考えられないようなスパルタ教育が行われる所もあるのだとか。

ちなみにこの実績、上位免許の実績があるからといって下位免許の実績にはならないのです。

例えば、運転免許だと大型2種(バス)を持っていれば当然大型1種や普通2種としても有効でトラックやタクシーも乗れますよね。

教習所の指定制度では大型2種の指定を受けても大型1種や普通2種の教習は出来ないのです。

つまり、免許種別毎に1個づつ実績を作って指定を受けないといけないんです。

この制度、指導員や検定員の資格にも当てはまるそうです。大型2種の指導員資格を持っていても、それを使って普通2種の指導は出来ないらしいのです。

なので、検定員もやるようなベテランの指導員さんは、それぞれの免種の指導員資格・検定員資格等を個別で取るため、資格者証だけで分厚いファイル1冊分になるとか。

しかも1度取ったらずっと有効ではなく、それぞれ更新があるみたいで…気が遠くなりそう。

取るのも大変・維持するのも大変ですよね。教習所の指導員さんに厳しく指導されて、あまり良い印象が無いという方もいるかも知れませんが、あの方々はダテではないんです(笑)

僕は数年前、某自動車学校で大型2種の指定前教習を受けさせて頂きました。

きっかけはひょんな事でした。思いつきで大型特殊の免許が欲しくなって、近くの教習所へ向かいました。そこの教習所は自宅から車で10分程で行けます。

4輪の免許を持っていれば、大型特殊の教習時間はたった6時間です。当初の予定では2週間程度で終わるはずでした。

普通に教習を受けていたある日、指導員さんが原簿を見ながら…

「大型免許持ってるんだね。仕事はそっち系?」
「えぇ、まあそんな感じです」
「普段大型乗ってるの?」
「デカイのはたまに乗る位ですかね」
「免許はゴールド?」
「はい、今のところ(笑)」
「そっか。教習終わってから少し時間ある?」
「え、大丈夫ですけど…」

指定前教習なんて知らなかったので、その話を聞いた時はビックリしました。つまり10人の精鋭候補に選ばれた訳です。本来は教習所で大型を取った人の中から素質が良さそうな人に声を掛けるらしいのですが。

「家も近いし真面目そうだから、やる気があればお願いしたいんだけど」

うむむ…資格マニアとしては願ったり叶ったりだけど。何時間位かかるんだろ?

「100時間は覚悟しといて(笑)」

100時間!?指定教習所で大型2種を取る場合の教習時間は約30時間です。3倍強…

とりあえず帰宅し嫁に相談。

「へぇ~!やってみれば?お金掛からないんだし。」

あっさり了承。

そんな訳で、大型2種の指定前教習を受けることになりました。(続く)