占星術を学ぶ方へ |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

だいぶ以前にも似たような記事を書いたことがあるはず。

でも、もう一度、これを書いておきます。




最近は、本当に占星術に興味を抱く人が増えました。

このブログを読んでくださっている方々の中にも、その関心で読まれている方が多いように思います。

こういったものに興味を抱かれるのは、私、とてもよいことだと思います。

現実の視点からしか起きた出来事を判断できない場合、理不尽な出来事を心で処理できないこともあります。

そうでなくても、身の上に生じしていることや自分自身の理解を深めるために、ホロスコープは非常に有能なナビゲーターの役割を果たしてくれます。

でも、

少し心配に思うケースも最近増えています。

それは主に以下の三つではないかと。


① ハードアスペクトや天体の課題的配置への理解

② 正しい知識を得ているか

③ 人生への言い訳



ハードアスペクト(ディフィカルト・アスペクト)というのは星と星が結ぶアスペクトの内でも、厳しい出方、課題となる出方をしやすいものです。
基本的には障害のアスペクトです。

これが多くあると幸せになれない、良い結果を得られないと思い込む人が、非常に多い。

まことに多い。

また何か凶星が結婚とか恋愛の部屋にあると、うまく行かないとか。

これは憂慮すべきことで、そのような結論や断定を行うのは、非常に危険です。


ハードアスペクトはたしかに障害や課題を提示してきますが、それを生かすことはできますし、逆に成功のために使うこともできます。

社会的に大きな成果を上げている人の多くは、むしろハードアスペクトを強く持っています。

また社会的成功の有無にかかわりなく、ハードアスペクトが強くあっても普通に幸せに生きている人が大勢います。

また課題的な配置があっても、それをどう生かすかは本人次第です。

うまく行かないという結論が提示されるわけではない。


本人が幸せになれるかどうかは、じつはホロスコープには表示されないのです。

幸せとは、その人の心の中にあるものだからです。

(一般的な解釈で、「幸せな結婚ができますか」というような問いの場合、そこには世間にある常識的な意味合いでの幸せの基準というのがあり、それに沿った解釈をすることはできます)



また現代では、ネット上に無数の占星術情報を見つけ出すことができます。

私もそうですが、このような形で発信している人も多い。

あるワードで検索をかけたら、関連サイトはすぐに見つけることができます。

ほんと、便利な時代です。


でも、ここにも落とし穴があります。

それが正しい情報なのかどうか、ということです。

誤った解釈を拾い出した人がまた広めることで、それが拡散しているケースもあるでしょう。

新聞や雑誌もそうですが、人間、活字で書かれたものは信用しやすい。


またそれだけでなく、この情報に関しても、占星術師のスタンスによって提示される解釈は、かなり違ってるということも問題です。

私は私なりのスタンスがあり、それを人様に押し付けるつもりは毛頭ありません。

ただ、単なる運命論で占星術を捉えた場合、ホロスコープはただの「呪縛」です。

悪しきアスペクト、悪しき配置があるから、幸せになれないとか、不幸なことが起きるとか。

そう思い込まされる危険もあるのです。

ホロスコープは魂の計画が表示されたものというのが私のスタンスですが、そこには運命論はじつはありません。

魂の望む人生が、ただそこにある。

良きことも辛いことも含め。

その計画の先にあるものとか、元になっているものを考えずして、ちゃんとした解釈はできない。



最後の「人生への言い訳」というのは、ある程度、チャートに関する知識が集まってきた段階で起きがちなことで、②にも関連しています。

占星術という問題から離れてもこれは言えることなのですが。

たとえば、自分が何かを実現しようとか、何かを向上させようとしているとき。

やっぱり私たちは日常の中、現実の中で生きていますので、いろいろと難しい問題が発生することもあります。

身に付けようとしている知識や技能を習得するための時間が割けないとか。

学んでいる場にいる他の人が邪魔をするとか、あるいは自分が気になってしょうがないとか。


これは私自身にも自戒として言えるのですが、

できない理由を探していると、そのことは絶対にできない

のです。あれがこうだから時間が作れない、これがこうだからやる気が起きない。

もちろん究極的に、本当にそうである場合もあるので、すべてのその状況に対して申し上げているのではありません。

ただ全般的に起きやすいこととして、できない理由を見つけている間は、そのことは何も実現できないというのはあります。


じつはホロスコープは、その「できない理由」の絶好の言い訳になってしまう危険があるのです。

ある程度知識が集まってくると、自分なりにチャートのある部分への解釈を加えるようになります。

それがもし②で述べたような正しい知識によって裏打ちされていなければ、「自分の運命はこうだからこうなんだ」という諦念にもつながります。

あきらめちゃう。

あるいは、こんなもんだと見限ってしまい、向上心も失われる。

しかし、本来、自分の人生を構築するのは今の自分自身であり、これが刻々と成長し、変化することで、未来も当然変化します。

チャートにあるのは、ある種の「大きな枠」とか「傾向」に過ぎず、その中でどの程度向上するかは本人の意志と選択にゆだねられています。

人間の意志と選択は、チャートの運命を超えます。

今日の積み重ねた自分が、明日の自分を作る。

それを決めるのは自分です。

私は自分の身に起きた出来事を、研究のためにチャート上、検証することはあります。

しかし、ホロスコープに自分ができないこと、あるいは失敗したことの言い訳を求めることはしていません。

私の場合……

問題なのは、禁酒できない理由を探すことかな~~σ(^_^;)



占星術を学ぶ方は、どうか運命論の罠に陥ることなく、正し良い学びを行ってくださいね。




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