だと思っていた。
わりと人間としては善良な部類……
だと思っていた。
しかし、見えない世界、心の領域まできちんと判定したら……
自分はやはり罪深い。
ということを痛感しています。
完全な人間などいるはずもないのですが、自分の不完全さ、不浄さ、こういったものをごまかしながら生きている。
誰しもそうなのかもしれません。
とはいえ。
大きな山に登ろうとしたら、大きな荷物は持てません。
もちろん必要最低限の準備は必要ですが、言ってしまえば、必要最低限以外のものは持てない。
テレビやエアコンなんか持っていけない。
本当に必要とされるものだけ。
山に登るためには、いらないものはできるだけ手放してしまわねばならない。
たぶん、それがなかなかできなくて、抗っていたのだろうと思う。
誰にも執着するものはある。
そして現実というものがあり、理屈で考えたとき、「こうしなきゃ」「ああしなきゃ」というのが、どうしても思い浮かんでしまい、突き付けられるものに抵抗してしまう。
飛べる、とわかっていても、自分に翼があるということが、どうしても実感できない。
風に任せればよいのだとわかっても、恐怖が先に立つ。
自分を捨てれば、じつは空のすべてが手に入るというのに。
そう。
風にままに。
流れのままに。
そうすれば、きっと高い山にもすぐにも登れる。
抗うことをやめ、素直に。
素直に。
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