元伊勢を旅する |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

オフ会の開かれた土曜日の夜。

私と奥さんは夜の内に京都を脱出し、福知山まで移動しました。
そして、そこで一泊。

日曜日の早朝には、最後の目的地、元伊勢を目指しました。
福知山まで移動しておけば、大江山の付近の元伊勢までは目と鼻の先です。



心配していた雪も、道路上はまず心配なく、周囲はこんな状況でしたが、日曜の早朝、車の少なくスムースに向かいました。

ところが。

ここで普通では考えられないミスを。

丹後の元伊勢を訪れるのは、三度目。

最初はミステリー・イベントの仕事で。
このときかなり神秘的な体験をしたのは、以前に書いたことがあります(といっても、霊感を受けたとか、そんなお話ではありません)。

二度目は二年ほど前に、奥さんと一緒に。

今度は三度目で、言えば「間違うはずのない」ルートでした。

それなのに、私は元伊勢の外宮を見落として通過してしまったのです。
(大江山近くの元伊勢には、今の伊勢と同じように外宮と内宮があります。福知山からだと、かならず外宮が先に目に入る)

そのかわり、近隣にあることは知っていたのですが、猿田彦神社を発見し、そこに参拝しました。

そして内宮へ先に向かってしまったのですが、何の疑問も感じておらず……




うっすらと雪化粧を施した風景の中に鎮座する内宮。

境内は早朝でもあり、非常にさえざえとした空気に包まれていました。

めっちゃ、気持ちえー。

寒いけれど。

周囲の木々から、枝に積もった雪が、さらさらと音もなく降ってくる。



奥の宮である天の岩戸神社へ向かう途中。
日室山の遙拝所があります。

禁足地であり、霊山です。

ピラミッド説もあったりします。



天の岩戸神社の渓谷。

非常に澄んだ水がたたえられており、そこへ枝から降ってくる雪が。

無音の世界。

幻想的でさえありました。



渓谷の岩場から、天の岩戸的な風景を撮影。

まさに閉ざされた岩戸という感じなのですが。



振り返ると、ちょうどすごく狭い渓谷の割れ目に、朝陽が!

「はあああ~~~! なんてタイミング、なんてすごい景色なんだ!」

感動のあまり、朝陽を何度も撮影しましたが、どの写真も太陽光線が散乱して、まるで八弁の花のように見えるのです。

もし外宮に先に寄っていたら、このタイミングには遭遇し得なかった。

渓谷は狭く、太陽がその間に光を投げかけるのも、そう長い時間ではないからです。

まるで、アマテラスが岩戸から外へ姿を現したかのような……。


感動の余韻を抱きながら、見落としてしまった外宮へ戻り、それから宮津、そしてもう一つ、丹後半島にある元伊勢、籠(この)神社を訪ねた、というのが、昨日の流れでした。

その後、伊根の「まる丹」で石臼引きの手打ちそばを頂き、そうしている間に降雪はたいそうな勢いを増してきました。

午後からは雪マークでしたし。

丹後を離れ、帰路につきました。


香住の蟹、京都のオフ会、そして丹後の元伊勢。

すべてにおいて充実した、すばらしい思い出となった旅行でした。