玄侑宗久「サンショウウオの明るい禅」海竜社
著者は以前動物園でオオサンショウウオを見たそうです。片足は岩の上、片方の肩だけが上がり非常に不自然な姿勢でまったく動かず。明るい方へ行くでもなく、かといって別に暗がりを求めるでもなく。その動じない姿がなんだか焼き付いてしまったようです。ああ、これが禅だと。自分の中に一匹のサンショウウオを住みつかせること。それが禅。そういうコンセプトで集められた著者のエッセイ集です。
「八風吹けども動ぜず」と言う言葉があるようで、誉められても貶されても動ぜずとか。
無理ですねー。誉められれば嬉しいし悪口言われれば腹立つし。自分の中にサンショウウオは飼えそうにないので、小さいのを外で飼うにとどめておきます。しかしその泰然たる態度オオサンショウウオだからかな。うちのは怒るしごねるしすねるし。まあ私の中に住みつかせるにはこのくらいでちょうどいいかも。挿し絵のサンショウウオがオオサンショウウオというよりはうちの子にそっくりで可愛かったです(煩悩だらけですわな)。