運命の逆転方法・7 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

人間が悩み苦しむ問題の中で、もっとも根深いのが人間関係です。

これは何千年も前からそうだし、これからもそうだと考えられます。

夫婦、友人、嫁姑、ライバル、敵。

なぜなら、これには相手がある。

仕事上の成功とか富の獲得では、確かに人との関わりは重要ですが、個人の努力にもっとも大きな要因があると考えられます。

しかし、対人関係はそうではない。

相手という、自分とはまったく異なるかもしれない思惑、価値観を持った人間がいて、その人との間で問題が生じていく。

考え方が異なるのだから、当然解決には「理解」ということが必要になる。
場合によっては「妥協」も。

愛情の問題は、この対人関係の中でも、さらに根深い要素を含んでいます。

性、愛、欲望、打算。

様々なものがミックスされて問題が複雑化もするし、多様化もします。


このシリーズ記事に締めくくりに、この愛の問題を取り上げておきます。

ここまで読まれた方は、すでにノストラダムスがどのような愛情に関するアドバイスを、相談者に行ってきたか想像がつくでしょう。

「愛されたいのなら、愛されたいというその思いをすっぱり捨て去りなさい」
「そして、それ以外の何かに打ち込みなさい」
「仕事とか趣味とか、なんでもいい」
「化粧やおしゃれなど必要ない」
「その愛している男性のことを忘れるくらい打ち込みなさい」

これを実践した女性は、なかなか自分のものにならなかった男性をこれで引き寄せることに成功し、また後でその男性が浮気に走ったときも同様なやり方で、取り戻したと伝えられているそうです。

よく愛とお金は、追うと逃げる、と言われます。
それを望めば望むほど、指の隙間から逃げてゆくのです。

愛とお金は、天体で言えばどちらも金星。

ギリシア神話の中ではアフロディーテ。

しかし、シュメールではイナンナとかイシュタルとか、荒々しい戦いの女神でもありました。
これらの女神は、どちらかというと冥界の底まで愛する対象を求めていくような、情の苛烈な女性の象徴でした。

追われるのではなく、追い求めていく。

愛は本質の中に追い求めるもの、という性質を持っているのでしょう。

アガペーのような愛は別にして、個人の愛情は。


そのように理解すると、こちらから追い求めるのではなく、相手に追い求めさせるようにし向ける方が賢明です。

実際、向けられていた好意が、ふいっとなくなってしまって、よそへ向き始めたと知るや、急にその人のことが気になってしまうなどというのは、よくある話です。


したがって、たとえば愛する人の心が離れてしまったのなら、そこに執着するのは一刻も早くやめるべきです。
こちらが求めれば求めるほど、逆に相手は離れる可能性が高いと考えるべきです。

いかにかつて仲が良くて、愛し合った記憶があるとしても、そこにいつまでもこだわって、
「あのときももう一度!」
などと請うても、相手は絶対に反応しないでしょう。

残酷な言い方ですが、さっさとあきらめるべき。

そして覚悟を決め、その男性以外のことに打ち込むべきです。

しかし。

誤解しないでください。

別にその男性を愛することをやめてしまえ、と言っているわけではありません。

それは本人が相手のことを好きで、愛しているのをやめられないのなら、それはそれでいい。

ただ、その人への執着から離れ、別なことに意識を向けるべき。

そのほうがむしろ、相手が戻ってくる可能性が高くなる、ということです。


別なことに意識を向けるのは、これはそうしないとなかなか人間、愛する人のことを忘れられないからです。

だから、ノストラダムスはそのようにアドバイスをしていたと、私は理解しています。

執着を離れるためにも。


だから、愛する人が離れていくというような絶体絶命のピンチにある人。

あるいは、愛する対象を得たくてあがき続けているのに得られないというような人。

まずは、愛にこだわるのをやめなさい。

違ったことをしなさい。

その違ったことをしたからといって、何一つ損はないのです。

それをしたばかりに夫が決定的に決定的に離れていったとか、それに使った時間の分だけ婚活に使えば良かったとか、そのように思えることもあるかもしれません。

しかし、たとえば夫が離れていく女性の場合、とくに別な女性が浮気の対象としてあれば、追い求めれば求めるほど相手は冷めてしまい、その浮気対象の女性の方へより心情的にも接近するのは、9割方あきらかだと思います。
これは、誰が考えてもそうではないでしょうか。

また私の見るところ、縁遠い女性の中にはやはり結婚や愛情への執着が強い人がいます。

もちろん、そういう要因ではなく縁遠い人もいます。

しかし、求める気持ちが非常に強いので、どうしても運気的にそういった実現が遠ざかってしまっているようです。

1年や2年、別なことに意識を向けてがんばったからと言って、それが大きな損失につながるとは思えません。

もちろんこれは、その人個人の運勢なども見て判断する必要があるのですが、私が過去の経験から感じるところでは、
「過去のこの辺の年回りで結婚していてもおかしくない」
「が、なぜか結婚していない」
「本人はすごくそれを望んでいる」
というような人は、この逆転法を試してみる価値があると思います。

それほど強いものを逃しているのには、それなりの理由があり、それは逆転法でしか解消できないかもしれないと思うのです。


愛情の問題はデリケートです。

誰にでもこれが有効とは限らないし、やってはみたが十分に実践しきらず、不発に終わることもあるでしょう。

けれど。

どうしても、なにをやっても解決しなかった、あるいは解決しそうにない。

そのようなときにこそ、この逆転法を試してみる価値があります。

次回はラスト。

この、大きな知恵に関するまとめと、私なりの意見を述べさせて頂きます。