このシリーズ記事には、いろんなコメントや感想が寄せられているのですが、一つ一つにはレスはしないことにしています。
なぜかというと、レスをきちんとしようとすると記事(みたいに長く)になってしまうからで、結局は記事の中で個別のご質問や感想にもお答えしていくのが一番だと思います。
お許しください。
さて、執着です。
このことは前にも書いたことはあるのですが、いつのどの記事だったか忘れました。
この執着を表示しそうな星の配置というのが、ホロスコープの中にはあります。
ただ、かならずしも執着という形を取らず、その人の人生の中で問題を起こしやすかったり、スムースに進展しにくかったりするポイントとなっている部分という意味ですが。
たとえば10ハウスに天体が数多く集合している人だと、社会的な成功や実績を上げることに、非常にこだわって努力される方がいらっしゃいます。
「これくらいの成果を上げなければ」
「絶対に人の上に立ってやろう」
その10ハウスが山羊座や地のエレメントに関わっていたら、その行動はさらに現実的なものになります。
また天体の集合だけでなく、土星の座するハウスやサイン(星座)は、それなりにその人にとってこだわりを表示することがあります。
もちろんそれだけが出方ではないのですが。
土星はその人の人生の中でも「負荷」をかけてくることが多く、その負荷に対しての努力をしなければならなくなってきます。
土星がよほど安定した状態で、ソフトアスペクトに囲まれていれば、多少は緩和されますが、この機能自体はなくなりません。
ましてハードアスペクトが強ければ、
「なんとしてでも超えなければならない試練」
になってしまうこともあります。
またチャートを総合的に判断したときに、ハードにせよソフトにせよ、アスペクトが集約的に集まっている天体やそのハウスとサイン。
これも人生上は非常に比重が大きくなってきます。
アスペクトを多く持つということは、単純にその天体の機能は多方面と結びつきやすいし、同時に多方面から酷使されることになります。
私のチャートでいえば、これは水星で、オーブの取り方にも寄りますが、7個のアスペクトを持っていて、そのうちもっとも強いアスペクトを取っているのが冥王星とのトラインです。
水星。
つまり書くこと、語ること、等々です。
これだと水星の機能は非常に先鋭化されて、高いエネルギーを持って使用しやすい環境が整っていることになり、当然ここにこだわった人生になりやすいのです。
また特殊な複合アスペクト、グランドトラインやグランドクロス、Tスクエア、ヨッドなどを持つケースでは、その関連したアスペクトの主軸となるものに執着する、あるいは運勢的に無理矢理関わらされる、ということも起きてきます。
このように天体の集合するポイントや土星のポイント、アスペクトの集中ポイントは、その人の人生で大きな役割を果たすことが多くなり、結果的に
こだわりや執着として表面化することもあるのです。
他にもいろいろと見方はあるのですが、主だったところでわかりやすいのは上記の三つです。
ところが、こういったポイントではハードアスペクトが多かったりすると、うまく天体が機能しないことも多い。
すると、うまく行かないからこそそれに執着するということも起きてきます。
また逆に、元々執着しているからうまく機能しないということも起きてきます。
そうなのです。
占星術でも実は、執着すればするほどその天体の機能が有効に生かせないということがある。
この執着の中には、
社会的成功を指向するものもあれば、
富に執着する場合
愛情に執着する場合
家族に執着する場合
配偶者に執着する場合
なにがしかのモノに執着する場合
さまざまです。
場合によっては、特別な望みではなく、
ただ普通に平凡な結婚や幸せが得たい
というような、高望みでもない、ごく当たり前のことが、逆に執着しすぎてうまく機能しないことさえあり得ます。
このようなケースでは、逆にこだわっているその部分の執着を手放してやり、一度そのハウスやサインの風通しを良くしてやる必要があります。
でないと、いっぱいモノ(思い)が詰まった状態のまま、そこでは生ゴミを詰め込んだ台所のバケツみたいに腐臭が発生し、中のものを悪い状態にしてしまうことすら起きてきます。
ノストラダムスの運命の逆転方法は、
「最悪の事態を想定し」
「あきらめる」
これが前提にあり、このあきらめは「あきらめよう」「あきらめなきゃ」というように自分に言い聞かせているくらいでは効果がないと思われます。
本当にあきらめることができたら、スパッと思いは断ち切れて、気持ちが軽々となっているはずなのです。
しかし、このような内的な転換を行うことができたら、その人のこだわりとなっているハウスとサイン、そして天体は「自由」に活動することを許されて、それまで蓄積してきた力を一挙によい方向へ発揮することも可能になります。
いや、少なくともその可能性が開けます。
そうすることで、その人がこだわっていた部分がうまく行くようになるかは、もはやその人次第です。
やはり変えられなかったということもあり得ます。
しかし、少なくとも執着を離れるので、精神的なダメージは遙かに小さくてすみ、その後も楽に生きていけるようになります。
また本当に「大逆転」が起きて、さよなら満塁逆転ホームランになることも。
もちろん、このようなことは万人に当てはまるわけではありません。
このシリーズの本論からははずれますが、違ったケースについて次回は触れておきます。