話す、考える、水星があるから人間なんだ |  ZEPHYR

 ZEPHYR

ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

占星術の中における、天体の性格というのは、実に多様です。

今日はちょっとした理由があって、水星を取り上げてみたいと思います。

水星は双子座、乙女座の支配星です。

ギリシア神話のヘルメス。ちょっと小ずるいところのある伝令の神。


占星術の中では、水星は知的活動の星であり、コミュニケーションの星でもあります。

流通や物流。情報通信。

言語、言葉。

学業。

研究。

文具。

いろいろなイメージの広がりがあります。


天体の中心は、占星術では「二つ」あると私は考えています。

一つは、いわずとしれた太陽です。

太陽はすべての天体の集約された姿で、その人そのものです。

もう一つの中心は、ホロスコープ上にはじつは存在しておらず、占星術師でも視野に入れている人はほとんどいないと思うのですが、「地球」です。

ホロスコープは地球を中心にして見た宇宙の図で、自分がまさに立っているところそのもの。

だから図面上にはこの中心は存在しないのですが、実際には「地球」視点での自分という存在の鏡としてホロスコープがある。

と、私は考えています。

その鏡像の中心点が太陽です。

太陽のコンディションは、その人の人生に大きな影響を与えます。


そして、太陽にもっとも近い星が水星です。

だからホロスコープ上では、地球から見るので、水星はつねに太陽のそばにあります。

まるで太陽からこぼれ出た最初のひとしずくのように(実際には太陽系創造の順序は違うでしょうが)。


聖書では、「光あれ」という神の「言葉」によって光が生まれたとされます。

つまりこの瞬間に初めて太陽という光も、この世に存在し得たことになります。
太陽は水星という「言葉」「認識」によって、はじめて存在し得る。

つまり太陽という主体も、水星なくしては「あってなきがごとし」なのです。


私たちは日常的に水星を使っています。

他のどの天体よりも、水星を使っています。

言葉を話すこと。

考えること。

文章を書くこと。

記録すること。

データを取ること。

メールを打つこと。

人間の生活の中で、これほど密着した天体はほかにありません。


金星の示す「愛情」。しかし、愛情のない生活を送ることも、人には可能です。

でも、考えること、話すことなどはやめることはできません。

人間の存在として、この世にある以上、私たちは他人と話すし、考えています。

何かの障害で「話せない」というハンデがあっても、「コミュニケーション」という水星機能はなんらかの形で持っています。

人は決して一人で生きられないから。


よく悩みがあるとき、人に話すと気持ちが楽になることがありませんか?

これは自己の内部にあるものを、水星が効率的に外界に送り出し、また別な観点や考えを導入するからです。

水星は吉星でもなく凶星でもない。

中性の星。

善にも悪にも染まる。

けれど、自分という存在をまさに存在させている星でもあり、外の世界と自分を最も強固につないでいるのも、この星です。

私は水星をもっとも活用する職業である小説家でもあります。

話すこと、そして書くこと。

誰かに何かを伝えること。

これらはとても貴い、きわめて人間的な活動であるということを、あらためてお伝えしておきたいと思います。

水星は、ときには人や自分を救ったりします。

私は少なくとも、書くことで癒されています。



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