セクスタイルは二人三脚 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

<アスペクト論・序章>
<コンジャンクションは星々のセックス>
<オポジションはもう一人の自分(あなた)>
<スクエアは合わないし、似ているけど嫌い>
<太陽と月 その認識>
<トラインは環状線のトレイン>
の続編です。

メジャー・アスペクトの最後、セクスタイルです。

60度の角度を持つこのソフトアスペクトは、いうまでもなくトライン(120度)の半分です。
幸運度はトラインに比べてやや劣り、トラインのようにタナボタ的な働きはせず、実現には努力が必要とか言われます。
しかし、一度波に乗ると、相乗効果的な勢いもあると言われます。

ここでもやはりエレメントとクオリティの両方から考察してみましょう。
エレメントの観点では、セクスタイルは以下のような相性の良い星座間で結ばれます。

火&風
地&水

かならずどちらかになります。
これはトラインとの大きな違いです。
トラインは火なら火、風なら風といった同一エレメントの中で発生しました。

同質のものが強化され、その働きに動的なものが加わっていきます。

しかし、セクスタイルは同一ではないけれど、相性の良いエレメントの中で発生するので、火に風を送り込むように(炎が風を巻き起こすように)、地を水が潤すように(水が地に濾過されたり、流れる道を作ってもらうように)、違った質のものの効果で相乗りしていきます。

これはたとえば、トラインは単独でトラックを駆けるようなもの、セクスタイルは二人三脚で駆けるようなもの、というふうな理解もできます。
セクスタイルの「努力を要する部分」というのは、この同調作業にあります。

トラインは無努力で勝手に走っていけばよい。
セクスタイルは同調しなければ速く走ることはできない。

現実には二人三脚の方が単独でのランニングよりも絶対に遅いのですが、たとえをもし自動車に変えるならば、トラインは普通の二輪駆動で、セクスタイルは四輪駆動と言えるかも知れません。
セクスタイルの方がトラインよりも、アクシデントにも強く、折れにくい、という印象を私は持っています。

たとえば個人のチャートでもトラインの多い人は、素直で伸びやかですが、頭を打ってしまうと、ダメージが大きい。
ある面で弱さを持っています。
これは単独のエレメントしか持たないためで、建築物で言えば一本の柱で支えているようなものです。

セクスタイルはかならず二本の柱を持つので、その分だけ強さを持っています。

トラインの中間点に、双方の天体にセクスタイルになる星がくると、トラインはそれだけ強化いものとなり、このような複合アスペクトでは中央に来る星を非常に重視します。


クオリティではどうか?

a.カーディナル&ミュータブル
b.フィックスド&カーディナル
c.ミュータブル&フィックスド

セクスタイルは以上のような組み合わせで発生します。

aのタイプのセクスタイルは、「創造」と「破壊」の質の中で発生し、間の「維持」「バランス」をすぽんと抜かしていますから、生み出される効果と壊す効果の循環が速やかに行われ、せわしない印象を受けます。
bのタイプでは、「維持」と「創造」の組み合わせなので、バランスの中で新たなものを創造していくか、創造的なものをバランスの中で発揮していくか、という印象を受けます。
cのタイプでは「破壊」と「維持」ですが、現状を改変しようとする力がバランス感覚で調整されるか、現状維持しようとする保守性が適度に柔軟に変化するという傾向として感じられます。

こうして書くと、三種類のセクスタイルは意外にそれぞれのクオリティの良いところを引き出す効果があることが分かります。

こうしたクオリティのどちら側へ強く傾くのか、それは構成している天体の質を考慮して考えます。

たとえば牡牛座・金星と蟹座・木星なら、この良好なアスペクトの効果は、より身近な天体である金星と牡牛座方向へつなぎ止められるだろうと読みます。
もちろん他との関係も考慮しなければなりませんが、基本的にはこれでよいと思います。


ところで、占星術を少しでも勉強された方なら、ハードアスペクトは360度を2で割っていったものに関係しており、ソフトアスペクトは360度を3で割っていったものに関係しているということにお気づきだと思います。

ハード 180度→90度→45度
ソフト 120度→60度→30度

という感じです。
これは完全なる世界の象徴である360度の世界を、二つに分けてしまうとかならず対立や軋轢が生じ、三つに分けると調和や同調が生じることを物語っています。

2という数字の機能は常に分裂的に働き、物事をややこしくしてしまいますが、3という数字の機能はかなり創造的だということになるでしょう。

チリ落盤事故にまつわる33という数字も、なにやら暗示的ではあります。

といったところで、このアスペクト論、メジャー・アスペクトを終えたところで、ひとまず筆を置きたいと思います。
マイナー・アスペクトについても、いずれ気が向いたときに書こうかと思います。

小難しい記事に付き合ってくださった皆様に感謝します。


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