スイングバイ理論・2 |  ZEPHYR

 ZEPHYR

ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

これから述べようとする占星学上のスイングバイ理論。

じつは、これは命名が新しいというだけで、占星術師なら誰しもがその効果自体は実感してきたもので、場合によっては、星々のアスペクトを利用して逆用したり、有効活用するようにアドバイスしてきたプロは非常に多いと思われます。

非常に分かりやすいたとえでいうと、たとえば出生太陽に対してトランジットの火星がハードアスペクトを作ったとします。

すると人は、火星のほうへ否応なく引き寄せられます。
火星の良くない特質である怒りや暴力、粗暴さ、こういったものに刺激され、感情が高ぶったり、その結果とった言動によって、他人との間に争いごと(火星)が起きたりします。
注・出生図の中での火星のコンディションや自己制御能力の高さ、資質、性格によってももちろん出方は変わります。これはあくまでもわかりやすいたとえです。

引き寄せられるというよりも、火星の質が太陽に流れ込んでくるといった方が正確かも知れません。

これは無意識に日常を生きていると、よりそのまんま起きる可能性が高くなります。

占星術について学び、こういったアスペクトを事前に知っておけば、よりコントロールは容易になります。
それ以外の方法でも、直感に優れた人間のなかには自分に忍び寄ってきているものの気配を感じ取り、うまく切り抜ける人もいます。
が、みんながそのように敏感なわけではないし、ほとんどのケースでは無自覚に星の影響を受けています。

しかし、惑星探査機のような宇宙機がスイングバイするように(星々の引力を利用して方向転換、加速、減速などを行える)、人もまた意識的にチャートに示される星を使ってスイングバイできないか。


そこで、占星学上のスイングバイの定義ですが。

自覚的に星の力を調和的方向へ活用する、能動的な意志と選択、又はその行動。

としておきます。一応。
若干修正を加えるかも知れませんが。

まあ、ひらたくいえば無自覚に支配されがちだった星の力を、自覚的に有効利用しようということです。
これはホロスコープを読まなければできないので、基本的には占星術師が活用できるものです。
が、普通の人でも今はチャートはネットで作成したりできますから、ちょっと勉強すれば次に来る星の事前予知は可能だと思います。

ただ、その星の品位や星座、ハウスでの意味合いなども含め、本格的な解読はなかなかプロでないと難しいと思います。

だから、気になる星の接近を察知したなら、プロの鑑定家にご相談されるのがよいと思います。

が。

ここでスイングバイの実例を、お目にかけましょう。

これは私が鑑定を続けてきた中でも、もっともスイングバイとして特筆できる例です。

ある女性A。

出生太陽に対してプログレス(進行)海王星が合。
後述しますが、海王星はトランスサタニアン(土星以遠の天体)の一つで、扱いが難しいものです(トランスサタニアンの難しさについてはこの連載記事の中でまとめて触れます)。

この合では嘘偽り、意志の薄弱化、判断ミス、計画の解消、挫折といったさまざまな海王星効果が予測されます。
出生チャートの状態にもよりますが、海王星の影響下で霊的な被害を受けたり、夢遊病的になってしまう場合もあります。

けれど、このAさんは自我というのか意志は非常に強い女性でした。
この星のアスペクト下で、あることを成し遂げました。

すでに離婚していた男性の元にあった子供たちの親権を取り戻したのです。

普通ならこれは難しかったはずです。

なぜ、このようなことが可能になったのでしょう?

スイングバイできたのです。
ねばり強い説得で。

海王星の特質である「無化」「解消」の効果を使ったと考えられます。

単純に運勢的に解読しても、この時期、Aさんにはなんらかの「解消」「消し去る」ことが起きてもおかしくはなかった。

問題は

それがなんになるのか?

ということ。

Aさんはその効果の対象を、離婚した相手の男性にした、ということなのです。

私は事前に「この海王星の効果を使えば、この元配偶者の男性をあなたの人生から無化できる」という可能性について示唆していました。
彼女は子供たちを取り戻すことで、その男性との繋がりをほとんどゼロに近くできたのです。

素晴らしいビックリマーク

素晴らしいスイングバイです!!


また、このような例もあります。
ある女性B。

スポーツをやっている彼女は、自分の道で長く苦しんでいました。

スランプ。

出口の見えない試行錯誤。

ここ数年は、おそらく絶望的になっていたこともあるはず。

しかし、彼女はあきらめなかった。

巡ってきた星。

出生の冥王星に対して、進行の火星がスクエア。

ハードアスペクトです。

火星はスポーツ。
冥王星は破滅の星です。

この時期に彼女は、スポーツに関しての破滅を経験してもおかしくなかった。

が。

そうはならなかった。

彼女は突き抜けました。

非常に優秀な成績を次々に上げ、大きな評価を得るようになりました。

冥王星には「再生」「復活」という意味もあります。

また苦しいけれど(ハードなので)、火星とアクセスすることで、火星の特質、スポーツというジャンルの力をフルに絞り出すことができます。

限界を突破する力。

それが冥王星にはあります。

これもまたスイングバイ。


次回はこのようなスイングバイを、それぞれの星のケースで解説します。

皆さんの幸せのために役立ててもらえたら、私も幸せです。

ポチッとしていただけると、嬉しいデス。
  ↓
FC2 Blog Ranking
にほんブログ村 その他趣味ブログ 占いへ
にほんブログ村