サンショウウオの話38/礼子 |  ZEPHYR

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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

川からサンショウウオの卵が盗まれたとか聞くとがっくりきます。盗むな、サンショウウオなんて飼っても面白くないですよ、すねるしごねるし引きこもるし引きこもるし引きこもるし。買う人がいるから盗まれたりするのでしょうが。じゃあ、飼うのはよくないことかと言われるとよくわからなかったりします。
ツボカビ病という両生類にとっては致命的な病気が世界的に大発生しました。カエルが絶滅するかもしれない、とニュースが流れた時街頭でインタビューをとっていました。その時「別に絶滅してもいいじゃん」と言う女子高生の答えがいまだにショックです。彼女の住む世界とカエルの住む世界が関わっているなんて考えたこともないのでしょう。いや今や田んぼを守るのはカエルではなく農薬なのかも。
でもドーモーが家に来なかったら私が彼を知ることもなかった。絶滅してもなんともない生き物の一つだったのかもしれない、そう思うととても愛おしい。
うちに来たばっかりにせんでもいい苦労をしたのかもしれません。ある日動かなくなってしまいました。ごめんね、そしてありがとう。