土星・天王星ハードアスペクトの過ごし方 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

土星・天王星のハードアスペクトは世に荒れ狂っていますが、昨年の12月に入った頃から、にわかに私の身辺が慌ただしくなりました。
単純に申し上げると、占いの依頼が次々に舞い込むようになりました。
そして、小説でも新たな企画の話が持ち上がってきました。
これらがいっせいに起こってき、しかもその入り方がちょっと普通ではないので、驚いています。
そして、一種の上昇運に入ったということを実感しています。

少し前の記事に、土星・天王星のハードアスペクトの中では、悪いことばかりが起きるわけではない、良き努力を続けてきた人は飛躍的にのびたり、成果を上げたりということがある、と書いたことがあります。
これは希望的観測でも慰めでもなく、真実、そうなのです。

土星と天王星は「現実」と「理想」、「既成の体制」と「改革」といったふうに、対立する存在のように感じられる部分が多いのですが、本質的なことを見たら、そうでもないのです。
土星は、天王星が発見される以前、山羊座と水瓶座の両方の支配星でした。
天王星が発見され、水瓶座の支配星はそちらに譲られましたが、今でも副支配星です。

つまり、山羊・水瓶という連続した二つの星座領域を、土星と天王星は共有しているのです。
これは似た質を持っていることを意味します。
山羊座はたしかに現実性の高い星座で、だからこそ権力や現世での成功といった側面に深く関わっています。実際的で、現実的であるということは、この世的には必要なことであり、それを無視しては生きてはいけません。
山羊の次にある水瓶座は、そうした現実追及の果てに、個人の枠を脱して、社会や共同体のためになる働きをしようという機能を持っています。これが「理想の実現」なわけです。
これは、たとえばロータリークラブやライオンズクラブのようなものを考えてもらったら、非常に分かりやすいと思います。社会的に成功を収め、実績を上げた方々が、社会に貢献しようという活動を行う。これが山羊→水瓶のプロセスです。
したがって、水瓶の理想というものも、社会を破壊し尽くして、そこにあらたな別社会を構成するというような代物ではなく、現にある社会をより理想的にしていこうという動きだと分かります。

とするなら、土星・天王星のハードアスペクトは、このプロセスの苦しい脱皮に近いものと読むことができます。
ここでシビアなのは、土星にせよ天王星にせよ、非常に数値的で乾いているというのか、ハードな一面を持っているということです。
土星は比類なく「勤勉で真面目」な星です。
天王星は「冷徹な科学者」のような星です。
この二つが合わされば、不真面目で成果が上げられないもの、非科学的なまやかしなどは、寄りつけなくなってしまいます。また情や我が儘にも、あまり理解は示されないでしょう。

こうして考えていくと、今の世の中で起きていることも理解しやすくなります。
人員の削減、情け容赦ない首切り。まさに土星・天王星的です。

しかし、昨年の秋冬を境目に、好調期に入った人や、また不況のあおりも少ない企業などは、これまで非常に真面目にやってきて、また非常な努力を積み重ねてきた可能性があります。
もちろんすべてではないでしょう。真面目にやってきても、どうにもならないというケースもあるとは思います。
しかし、プラスの方に傾いたなら、少なくともそのようなことが言えるのではないかと思います。
積み重ねてきたことが、具体的な成果となり、理想につながっていくのです。

逆に不調に陥ってしまったなら、それはこれまで不真面目で不勉強であったり、理性的な思考で対処をして来なかったということを意味するのかも知れません。
もちろん、この不況下ですべてを指すわけではありませんが、社会全体の波を受けやすい企業よりも、個人レベルで不調に陥ってしまった方がいたら、ここで胸に手を当ててみるべきかも知れません。
土星・天王星のコンビは、おそらくまやかしなど決して許しません。

裏帳簿とか、不正利用とか、偽装とか、それで利益を上げていたような場合、かなり危機的です。
個人でもこれまで嘘偽りで過ごしてきた人、他人を陥れてきた人、思いやりを示すこともなかった人、家庭を顧みず、家族を愛してこなかった人、真の実力もないまま高く評価されていた人などは、ここで反動を受けてしまう可能性があります。

だからこそ――。
今からでも遅くはありません。
人の倍、三倍の努力をなさって下さい。
そして、隣にいる人を愛して下さい。

私もさらに努力します。