サンショウウオの話34/礼子 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

最近ドーモーは金魚用のガラス鉢に入っていました。丸く平たくて縁がくるっとまわっているものです。真ん中に流木を置いてドーモーはずっとその溝でじっとしていました。ほとんど動かず良い子にしていると思ったら、ある日いなくなっている。探したら壁を登ろうとしていました。ヤモリと違って傾いた所は登れないと安心していたらもう少しで外に届きそうだったとのこと。
次の日帰ったらドーモーは新しい家に移されていました。壁の高いガラスのケースです。まったくドーモーに関しては金を惜しまんな。
しかし、ドーモーは環境が変わったのでひどく不機嫌でした。いつも頭が向いているのに二日間尻尾を向けていました。わかりやす過ぎ。