ミャンマーのサイクロン被害を、占星術的に深く読み解く |  ZEPHYR

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私は不覚にもニュースを耳にしていなかったのですが、今月の2日、チリ南部で大規模な火山噴火があった模様です。その噴火したチャイテン火山は、6日には火山活動を活発化させ、火山灰は上空30キロの成層圏にまで達したそうです。
2日深夜から3日未明にかけ、ミャンマーを襲ったサイクロン「ナルギス」と同期したかのようなこの自然災害にも何かしら深い意味がありそうです。

今日は、「ナルギス」の災害に関する深読みを行おうと思います。
当日のミャンマーのホロスコープを作成すると、深夜に第8ハウス(死の部屋)を火星が移動していることが分かります。深く解読するまでもなく、この火星がこの災害の主役なのではないかということは、占星術師なら見抜くことは容易いはず。
なぜなら、この火星に絡んで天体がY字型に配置されるヨッド(神意の座相と言われる)が形成されているからです。しかも、二重に。
一つは、火星を軸に、ジュノー、海王星と月のノードで構成されています。
火星は水のサインである蟹座にあり、海王星は文字通りの大洋(水)の天体です。ここから推察されるのは、水害や海洋での事故や、大洋の災害です。
そしてもう一つのヨッドは、ジュノーを軸に、火星、として水星の3天体で構成されています。
ジュノーは地震や大地の活動に関連が深いという指摘があり、チリの火山噴火はこれが引き金を引いている可能性があります。
しかし、どちらにしても火星が非常に強く関与して「死」の空気を呼び寄せていることは間違いありません。

「高価な住宅の密集する渓谷に吹く暴風」というのが、この日の火星のサビアン・シンボルだということは、前にもこのブログで申し上げました。
「暴風」という言葉が使われているだけでも、寒気がするのですが、この元凶である火星にこの日、もっとも強い凶角を作っていた惑星があります。
エッジワースカイパーベルト天体の一つ、1992QB1、占星術師がペルセポネー(=その力が発動すれば人類が三分の一になると言われる想定上の天体)ではないかと候補に挙げている星です。
この天体のサビアン・シンボルは「内側に向かって吹く風で、開かれた窓のカーテンがコーヌコピアの形になる」というものです。
「はあ?」と言いたくなるような意味不明なシンボルに思えるかも知れませんが、まずは火星と同じ「風」というシンボルが表れていることに注目すべきです。それは内側に、ということですから、これは内陸へと読むことが可能です。
さらに「cornucopia」という単語をよくよく調べると、驚くべきことが分かってきます。

それはギリシア神話に由来する言葉で、「ゼウスに乳を与えた山羊の角」とも「河神が雄牛に姿を変えてヘラクレスと戦って折られた角」とも言われます。その角からは望むままに、食物、飲み物、果物、花などがあふれ出たと言われ、物の豊かさを象徴するのが、コーヌコピアなのです。
そこから「豊富、豊饒、豊作」などの意もあり、また単に「角形」「円錐形の容器」などというものを指して使う場合もあります。
河。折られた角。
三角(円錐形も横から見れば三角)。
今回、ものすごい被害が伝えられているエーヤワディ河口地域。
デルタ(三角洲)地帯です。

そしてもう一つ。
「ナルギス」の進路である内陸、ミャンマー、タイ、ラオスの国境付近。
これは前の記事で述べたとおり、世界最大の麻薬地帯。
俗に「黄金の三角地帯」と呼ばれています。
なぜ、黄金なのか? この場合、あらゆる富をもたらすという意味でしょう。麻薬の三角地帯、魔の三角地帯です。
豊饒の三角。
まさにこれらの地、コーヌコピアに「ナルギス」は吹き荒れた。

ここまで解読して、私はあまりの出来過ぎた星の構図に、言葉を失いました。
これらがただの偶然とは、私にはどうしても思えません。
そしてヨッドの配置で起こった災害であることは、我々に何を示しているのでしょうか。
これはおそらく、ミャンマー軍政への強い強い警告。戒め。

それだけでしょうか。
いや、おそらくこれは私たち1人1人に突きつけられた問題です。
富の豊かさばかりを追い求め、他人の生命を踏みにじっても構わないような生き方(直接・間接を問わず)に対する鋭い警告。
私にはそう思えます。