そこには、ただ…… |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

月がきれいなとき、共に寄り添う星がある。
花が咲くとき、見つめる眼差しがある。
蝶が羽化するとき、よそ風(ZEPHYR)が吹く。

風の狭間に何があるのだろう。
光の谷間に何があるのだろう。

手をさしのべたとき、握り返す手がある。
悲しいとき、そばにやさしい息がある。
笑いかけたいとき、返される微笑みがある。

水の流れに何が映るのだろう。
心の鏡に何が映るのだろう。

満開の桜の下。
雨上がりの空に架かる虹の下。
狂おしい木漏れ日の下。
舞い散る木の葉に混じる雪。

折々に想う人がいる。
会いたい。
触れたい。
守りたい。
待ってくれていると感じる人が。

月がきれいなとき、共に寄り添う星がある。
花が咲くとき、見つめる眼差しがある。
蝶が羽化するとき、よそ風(ZEPHYR)が吹く。

風の狭間に何があるのだろう。
光の谷間に何があるのだろう。

そこには、ただ……。