流星群 |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

仕事を終えて、駐車場に向かうとき、夜空を仰いだ。
星空にはオリオンを中心に、冬の星座が広がっていた。
流星群が空をよぎる日。
中天にさしかかろうとする赤い星、火星の周囲を眺めた。
しかし、星は流れず。

帰宅して、車の外に出ると、思わず眼が夜空に吸い寄せられた。
満天の星。
そんな表現がふさわしい。
さすがに田舎だけのことはある。
星の広がりよう、星の輝きが違う。

車にもたれて、しばし、白い息を吐く。
昴(六ら星)も確認できる。
アルデバランも。
そして、カストールとポルックスも。

光が走った。
流星。
また走った。

一つ、二つ。そして三つ。

流星群。
刹那の輝き。

夜空を眺めていると、吸い込まれそうになる。
魂がそこへ帰りたくなる。

それはきっと私たちがそこから来たから。