なんと、相性は変わる! |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

男女の相性というものは、普通変わらないものと考えられています。
ところが、ある時期が来たら、悪かった相性も変わる可能性があるというお話。

単純な例を上げると、私の星座は射手座(通常の12星座占いは、本人が生まれたときの太陽の位置だけを問題にしていて、太陽が入っている星座が○○座)。
射手座と相性が良いのは、牡羊座、獅子座、ついで水瓶座、天秤座、双子座などというもので、逆に相性が悪いのは魚座、乙女座などとされています。
これは射手座から見て、それぞれ120度、60度の位置にある星座は、角度的に調和関係になるためです。男女間だとこれに加えて、180度、正反対の位置にある星座も強い惹かれ合いをすることがあるので良いとされています。
もちろん、この程度のおおざっぱな占いで、男女間のすべてが語れるものではものではありません。
実際には、太陽が入っている星座だけでなく、男と女の相性ではとくに火星や金星の位置関係も重要視されますし、土星や木星との関連も無視できません。月も感情を司るので非常に重要です。つまり総合的な判定が必要になってくるわけです。

ところが、12星座のみも、おおざっぱな相性とはいえ、あまり軽視できない傾向もあるのです。
たとえば、私の交友関係には水瓶座に重要な人物が多い。子供二人も、はからずも水瓶座に生まれ、しかも誕生日は一日違い。
またなんの先入観念もなく人付き合いをして、「付き合いやすいな」と感じるのは、上記の相性の良い星座の人間であることが結果的に分かることがあります。
つまり、決して馬鹿にはできないのです。
12星座の関係は、占星術の基本の一つ。やはり意味があります。

ところで私の家内は、魚座の人です。
つまり射手座とは相性が良くないとされている。
実際、何もかも合致している組み合わせのほうが珍しいし、どんなカップルにも合わない部分というのは存在しています。
たぶん家内にとって私は、信じがたいほど楽観的で抜けたところのある人間だろうと思う。
逆に私にとって、家内は時に感情的すぎて、理屈が通らないと感じさせられる部分もある。

そんな二人が、結構うまくいっているのはなぜなのか?
この際、私たちは現実生活の中でこんなことをしてますとか、思いやりを持っていますとか、そのような問題は排除して考えます。

じつは家内は、魚座の生まれでありながら、現在は牡羊座の性質も加わっているのです。
また結婚した頃、私は家内の魚座とは相性がよいとされる山羊座の性格をある程度持っていました。
なんだ、いったい?
射手座なのに、山羊座の性格が加わることがあるのか? それは太陽以外の星がそこにあるとか、そういう話なのか?
もちろん、他の星も考えないといけないのですが、太陽だけに絞っても、じつはそういう元の星座に他の星座の性格がプラスされることがあるものなのです。

じつは出生時の太陽は、1年に1度ほど移動します。これを1度1年法、あるいは1日1年法などといい、出生後の運勢の動きを見るときに使います。
もし、射手座のど真ん中、15度に太陽がある人物でも、出生後、15年経過すると、一つの星座は30度ですから、射手座のエリアを抜けてしまい、次の山羊座に入ってしまうのです。
すると元もと射手座の性格だったその人は、中3か高校に入学する頃には、山羊座の性格をプラスされることになるのです。
その山羊座も30度ですから、さらに30年経過すると、次の水瓶座に入るようになります。
こうして人の性格というのは、ベースになっているもの(これは不変とされます)に、別な要素が次々に加わっていくことで、徐々に変化していくと考えられるのです。

というようなことを考えると、「えー、じゃあ、自分は蠍座だけど、もしかしたらもう次の射手座の性格がプラスされてるのか? さらにその次の星座の性格には、何歳頃に変わっていくの?」というような疑問を当然、お考えかと思います。
ややおおざっぱになりますが、簡単な方法があります。
自分の次の星座のスタートの日から、自分の生まれ日を引いて、日数を計算して下さい。
たとえば自分が山羊座の生まれで、誕生日が1月3日だとします。
すると次の水瓶座は、1月20日からだいたいスタートしますから、
20-3=17
その数が次の星座に変わった年齢ということになります。
つまりこの人は、17才の時に水瓶座の性格がプラスされ、現実一辺倒、野心的で実際的な山羊座だけでなく、人生の理想や博愛精神を持つ水瓶座の性格も加わり、占星術やスピリチュアルなことにも目覚めるようになります。
さらにその30年後には、次の魚座がプラスされていきます。

もっとわかりやすい例が、蟹座の女性です。
蟹座は母性愛があり、家庭的とされます。ところが現実に見ていると、かなりわがままであったり、家庭を顧みない行動を取る方もいらっしゃいます。
これはすでに自己のエゴが最強である獅子座のエリアに太陽が入っているため、その性格がプラスされているからだと見ることができます。

こうして人間は、日本人の平均寿命程度生きるとすれば、最低でも三つ、場合によっては四つの星座の経験を積むことができるのです(長生きすれば、五つでも可能)。

だとすれば、12星座の関係くらいで、相性を単純に考えるのは、非常に危険だということになります。一見、合いそうもない星座同士でも、良い関係を築くことが可能なのです。少なくとも永遠に不可能ということはありません。

人は変わっていく、成長する生命そのものです。
あなたが成長すれば、今はだめな関係でもうまく行くようになるかも知れないのです。

相性は変わる。
それと同じように、昨日のあなたは今日のあなたではありません。
あなたの隣にいる人も。
だからこそ今この一瞬を大切にし、今この一瞬に良い関係を築きましょう。