「デウス・エクス・マキーナ」を脱稿。
原稿用紙換算で222枚。初のミステリー論考、文学論考である。
はー、恥ずかしい。
学術書めいたものにはしていない。そんなもの書けるはずもないし、大学生たちが多少なりとも興味を持って読んでもらえるよう、かなり柔らかい内容にした。
それにしてもよくこんなものが書けたものだ。
感心する。
ミステリーの神様か、文学の神様か知らないけれど、書いているうちに多くの導きがあった。
日本人とミステリーの関わりについて、これまでたぶん誰も打ち出したことのない仮説を提示できた。
これだけでも、本当に奇蹟のような出来事だ。
そしてこれを書くことで得られた一番の報酬は、自分自身のスタンスがビシッと定まったことだ。
これまでどこかに迷いや不安があった。
それが完全になくなったわけではないが、少なくとも作家として「書く」という行為に、もはや迷いはない。
すべての物語に価値があり、意味があるのだから。
回り道のようでいて、そうでない。ピットインして、すべてを点検整備したようなものだ。
さあ、いよいよ「リメンバー」を再開しよう。
薫葉豊輝、紫月悠詩の二人にも仕事を依頼していることだし、こちらも薫由記とともに。