数秘術による作家の統計と傾向 |  ZEPHYR

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さて気を持たせてしまったが、数秘術による作家の統計結果をここでちょっと発表しようと思う。

作家になりたい人、あるいは作家ご自身でも、この結果にはかなりの興味が湧くのではないだろうか。


キャロル・アドリエンヌの「数秘術 マスター・キット」によれば、姓名はペンネーム、芸名なども補足的に見るが、本来与えられた名前を重視するらしい。

よって、私が統計を取った120人の作家については、本名が判明している方のみに限られるということをお断りしておこう。

すると、まず全体的な傾向として判明したのが、誕生数には5が突出して多い。

これははっきりとした統計的偏りがあり、現在に至るすべての名探偵の礎となったシャーロック・ホームズの生みの親、アーサー・コナン・ドイルをはじめ、浅田次郎、新井素子、荒巻義雄、大沢在昌、大江健三郎、筒井康隆、辻真先、二階堂黎人、馳星周、原尞、藤原伊織、麻耶雄嵩、三島由紀夫、森博嗣、田中芳樹……と名だたる作家の方々が並ぶ。

そして彼らの作品的傾向にも注目に値する。大沢在昌、馳星周、原尞、藤原伊織はいうまでもない。日本を代表するハードボイルド作家たちである。これは特筆に値する。

何を意味するか? 実は5にはアウトロー的な要素が強いらしい。つまりそれが作風にも出ているわけだ。それだけではない。ハードボイルドに限らず、上記の作家たちに「独自の作風」「独自の世界」といった傾向が強く感じられるのは、私だけではないだろう。

5についで多いのが8。8が社会的な成功、現実世界への強い関与と達成を持つ数字なので、これは頷ける。そして9、6、3といったあたりが比較的多い。しかし、5ほど顕著な偏差は見られない。やや多いかなといった程度だ。

逆に少ないのが、精神的な数字であるといわれる7。

もっとも作家向きと思われがちなこの数字が、なぜか少ない。

これはおそらく7のもつ神経質さ、デリケートさが、ある意味、プロの作家としては弱みにつながる可能性を示唆していると思われる。

ただし誕生数の7の中には、松本清張、内田康夫といった大成功を収めている方もいらっしゃることを書き添えておきたい。人間の精神のデリケートな部分に敏感だからこそ、なしうる仕事もあるだろうし、カバラでは7は特別な数字、神の数字と言われる。そしてその人間に特別な試練を与えるとも言われる。思えば故・松本清張氏も、また現在も大活躍されておられる内田康夫さんも、華々しい業績を上げる前には、ずいぶんと苦労なさったと聞く。

そうした試練、逆境を越えた7の人物は、後に大発展しうるともいえそうだ。


また以前、4は少ないと述べたことがある。4は伝統的で保守的だから、冒険的作家業には向かないのではないかと。カリオストロ換算表の数秘術統計ではそうだったが、今回キャロル・アドリエンヌの提示してくれた換算表によると、なんと誕生数でこそ平均をやや下回るが、運命数(姓名数)ではトップの集計数を記録したのが4である。

後天的な環境や性質をもたらす運命数において、4というのは勤勉さを付与する働きをするようだ。作家の仕事というのは、一日のうち何時間も机の前に座ることを強要される、ある意味しんどい仕事だ。

これを持続的にやり抜くには、4は逆に必要なのかもしれない。

建設業など、ものを形にする仕事も4向きらしいが、作家の仕事も作り上げるという意味では似た部分がある。

誕生数、運命数の両方で多かったのが、6である。両方の総数もトップだ。

3、4、5、6、そして9が、誕生数・運命数の総数で、比較的多かった数字だった。


さて、もう一つ判明したことがある。誕生数と運命数。どうやらこの二つは同じ数字になっているほうが、才能をストレートに発揮しやすいことがわかった。

数字が重なっている人間は、作家だけでなく、ごく普通の勤めをしている方にも見受けられる。

しかし、比率的に見て、ダブリの出現率は作家にかなり多いように思われる。

中でも、私がここで予言しておきたい作家の方が三人いらっしゃる。


今回調べた範囲の中で、特別な重なりを持つ作家の方が3人いらっしゃる。

東野圭吾さん、村上龍さん、そして辻仁成さん。

この方々は共通する傾向を持っている。特別な試練が与えられる可能性もあるのだが、今後もますます大発展を遂げると私は睨んでいる。

東野さんは乱歩賞作家の先輩として、私は個人的にも非常に尊敬している方だ。

東野さんの「秘密」が私の人生を変えてくれたという話を、前に書いたことがある。東野さんの著書のすべてを読んでいるわけではないが、読んだ作品はどれもすばらしかった。

良いお仕事をなさっていると思う。


ただ、大成功している作家に、かならずしも数字の重なりがあるわけでもないということも、触れておかなければならないだろう。赤川次郎、内田康夫、宮部みゆき、松本清張、栗本薫、島田荘司など、その実力と業績に異論のつけられない方々に、数字のダブリはなかった。もちろん他の部分で、自分の才能を発揮できる要素は見つけられた。

だから、要はトータルでのバランスと、後は与えられた運気の中で自分がどれだけ努力できるかなのだ。

したがってこの統計データの少数派であるからといって、未来が閉ざされるように感じる必要はいっさいない。


が、もしこの数秘術を自分の開花に役立てたいと思うなら、自分の誕生数と同じ数字になるペンネームをつけたらよいかもしれない。

ただ。

作家以外の人々の統計をやはり120人ほど採ってみたのだが、誕生数と運命数(姓名数)がだぶっている女性の方には、人生に深く悩み、とくに結婚に関してはなかなか難しい人が多く、独身を貫いている方もいらっしゃった。そのあたりの危険を伴いますよということも、ちょっと警告しておこうかと思う。

ペンネームの運気が支配的になり、その人を縁遠くしてしまう危険があるからだ(まあ、別に結婚することがイコール幸せを意味するわけではないけれど)。


さて、私、石井敏弘だが、今回の研究で、自分に関して非常に有益な示唆をもらったと感じている。私の誕生数と運命数もダブっていて、しかもその出方はただのダブリではなく、特殊な意味を持つ数字のダブリだった。これも確率的にいうと、かなり低い一致だ。

石井敏弘という名の人間の持つ行き先、命運に、さらなる興味を自分自身で覚えた次第。

ペンネームを考案し、今後はそれを名乗ろうかということも前に書いたのだが、ちょっとそれは保留。もう少し勉強し、自分にとってもっとも有効に働くものを考案しなおそうかとも思っている。


おっと、それからZEPHYRである。

この運命数は8である。

これは私の数秘術チャートと合致するところがある数で、もう一つ別なダブリをすでに作っていたことになる。ペンネームを保留にするのも、このことが一つある。


以上、作家と数秘術に関する研究レポートでした。