「デス・ノート」がジャンプ誌上で、連載を終了した。
単行本でしか読まない主義だったが、どうもここのところ物語が終焉に向かっているのを察知して、本屋さんには悪いが立ち読みさせてもらっていた(私は雑誌は買わない主義。買うとそれでなくとも本で氾濫している部屋がもうむちゃくちゃになる)。
予想通り、というか、これ以外の結末はあり得なかったろうと思われる結末だった。
なるべくしてなった、物語の終焉だった。
しかし、少年雑誌でよくもここまで人の死を扱うものをやり抜いたと思う。この作品は完全にアダルト向けだ。
しかし、現代においては少年世代にもこの物語を受け入れるだけの素地が広がっているのかとも思え、するとなにやら恐ろしい気分にもなる。
社会はすでに壊れている。
それは昨今の事件報道を見るたびに思いを深めるばかりだ。
「デス・ノート」の主人公、夜神月(ヤガミライト)はそんな現代の若者を象徴する存在だ。
正直、こんな奴がいたら、たまったものではないと思うが、しかし、物語の中にあった「死神のノート」のようなものさえあれば、現実に夜神月はこの世に現れてもおかしくない存在に思える。
前世紀末、世の中には終末思想が溢れていたが、それにもまして濃厚な、世界終末的な匂いのする物語だった。