熱と少女とシンクロニシティ |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

久々に強烈な風邪を引いてしまった。このところインフルエンザにもやられていないし、風邪もちょっとそれっぽいかなと思っていても、すぐに治ってしまっていた。

職場でだんだんと調子が悪くなり、寒気はする、喉は激しく痛くなる、熱は急上昇と、自分でもはっきりわかったのだが、交代要員がいないのでそのまま頑張っていたら、だんだんと

「ラリホーっ?☆▽×○≠」

状態になってきた。夜間診療をしてくれる病院に行き、熱を測るとなんと9度4分。

それが昨夜のこと。

夜の間に汗を思いっきりかいて、何度か着替え、今は6度台に下がっている。

頭もすっきりして、これを書いている。


それはさておき、先日ある占いである少女に会った(少女というほど幼くはないが、私はもうそういえる相対的な年代に入ってきている)。

そこで彼女からあることを聞かされた。


これじゃ、何の意味かわからん? 当然ですね。その「あること」の中身がシンクロニシティのことでした。

彼女は私のこのブログを読んでくれていて、私がよくシンクロニシティについて書いているのを知っていたので、我が身にそれが起きたとき、ピンと来たのだそうです(書いている甲斐があり、嬉しく思いました)。

最近知り合った男性が、自分と非常によく似た境遇で、怪我しした身体の場所とかまで酷似しているという。


シンクロニシティというのはユングの提唱した不可思議な現象のことで、「意味のある偶然の一致」のことを指します。

ある出来事や人物に対して、まったく関連があるはずのない出来事や人物が、奇妙に関連性を持って生じることをいいます。

たとえば何年も会っていない友人のことを何の気なしに思い出していると、彼から連絡があったとか。

自分が知りたいと思っていることを、友達がその情報を持ってきてくれるとか、興味を覚え始めた仕事や趣味があるとき、たまたまタイミング良くそのスペシャリストと巡り会うとか。

そういう出来事のことです。


シンクロニシティは基本的にそれを実感した本人に対して、何らかの「良き導き」を携えていることが多く、現れた出来事や人物はその人に何らかのメッセージを伝えようとしているとも考えられます。

従ってそれに注意を払い、敏感になっていると、たとえば迫ってくる危険を予知して避けられたり、あるいは運命的な出会いを果たすとか、自分の進むべき良き進路を決めるといったことができるようになります。


これは誰の身にも起こりえることで、気づくかどうかというのが大きな問題です。ただの偶然で片づけられてしまうことが多いのです。

そうすると良い導きを得そこなってしまう。


じつはこうしたものを活用すると、占いなどに頼らなくてもその人は人生をうまく切り開いていけるようになるのです。

タロットというカード占いは、その体系そのものがシンクロニシティ現象です。それを人為的に起こすのがタロットです。そしてうまくそれを引き起こせるようにできるかどうかが、タロット占者の力量になってくるわけです。

では、何が力量を決めるのか?

タロットカードに関する知識か、リーディング(解読)の推理力か、それとも依頼者とのコミュニケーション能力か、あるいは直感力か。

すべてYESです。それらはすべてタロット・リーダーに求められる能力です。


しかし、真に必要とされるのは「信念」です。

カードに対する絶対的な信頼感。そこに現れるカードたちが真実を映す鏡となることを、当たり前に信じられること。

これがタロット占者にもっとも求められる力量なのです。

それがなくなってしまうと、カードはバラバラにほどけてしまって、正しい鏡とはならず、歪みやひび割れを持った鏡となってしまいます。

当然、真実は読めない。

「力」というカードがタロットの中にあります。か弱い少女がライオンを押さえ込んでいる絵がたいてい描かれていますが、なぜこのカードが「力」なのかというと、彼女は力づくで猛獣を制御しているわけではなく、宇宙に満ちている「フォース」で手なずけ、コントロールしているからなのです。


そしてその「力」とは、すなわち精神の力を意味します。

イエスはいった。

「小石ほどの信念があれば山をも動かす」と。