久々の登場です。
「プロの作家になるための秘訣」。
さて今回は逆説からのアプローチをしようと思う。
プロの作家になれない人間。
かなり酷ですが、この側面からスポットを当てていこうと思う。というのは、それについて知れば、逆に作家になれる道も開かれる場合があるからです。
つまり人を指導していくときに、時には欠点をずばずば指摘する、それと同じである。
長所を褒め称えるだけで伸びていく人間は少ない。
やはり悪いところ指摘され、そこをどうにかしていかないと、人様に読んでもらえる作品にはなりませんよ、という最低限の部分がある。
そこをとばして、耳に心地よい言葉ばかりを聞いて才能が開花し、世の中にも受け入れられ、売れっ子になりましたなんていうのは、ごく一握りの天才だけです。
天才と言い方には語弊がありますが(彼等も絶対に努力している)、言い換えれば彼等は天性の感性でその最低限の部分をクリアしている人ということになります。
その領域に脱輪することなく、巧妙なハンドルさばきで、危ういクランクを脱している。
これは本当に車の運転と同じで、かなり天性の部分があると思われます。
うまいやつはちょっと教えられただけでうまく車を走らせることができる。
しかし、不器用なやつは頑張って努力して、その欠点を克服していかなければならない。
この単純明快な真理は、皆様にはおわかりでしょう。
で、これは自分自身への戒めを含めた、不器用なやつへの助言と受け取って頂きたい。
ここに書くことはいくらかは自分自身に跳ね返ってくる部分がありまする。
だからこそ、これを書くことには意味がある。
作家(小説家)になりたいが、なれない人間は実際のところたくさんいる。
小説家にはなったが、売れない人もいっぱいいる。いや、むしろそういう人達のほうが多い。
成功のための秘訣は、これまでに書いてきました。
が、ネガティヴな立場から、このネガ部分をはたき落とす形で、プラスの領域に這い上がることもできる。
で、まずその第一弾として取り上げたいのが、性格の問題です。
じつは作家にはなれないタイプの性格というのがある。
えー?! そんなのあるの?! たとえば星座だと何座とか、血液型だとか、姓名判断だとか?!
いえいえ、ご安心を。
もっと客観的一般的な判断でその見分けはできます。
じつは、次のような性格の人は、まず作家になれません。
「人の気持ちがわからない人間」
いますよね? あなたの身近にも。1人や2人。
こういう事を言ったら相手を怒らすかもしれないとか、こういう発言は相手の不利益になるとか、そういうことがわからず不用意な発言を繰り返す人。
残念。
このタイプの性格の人は、小説家にはなれません。
ネットの世界ではこういう人は随分たくさんいるようです。そういうことを書くと相手が傷つくかもしれないとか、不利益になるかもしれないとか、そういうことを全く想定せずにブログとかに平気で悪口、あるいは自分の勝手な思い込みなどを書く。
書かれた相手のことは考えない。というよりも、考えの中に浮かばない。
この「考えの中に浮かばない」という部分が重要です。
なぜなら
「こう言ったらあいつは怒るだろうな。でも言わざるを得ないな」とか「この書き込みは相手の不利益になるかもしれないが、世の中に真実を知らしめるためにはやむを得ないな」とか、そのようなことまで考えて、わかってやっている人、わかって言う人とは違うわけです。
考えの中にない。
つまり、相手の気持ちや立場が、さっぱりわからない、想像もつかない、思いもつかないのです。
こういう性格の人はぜったいに作家にはなれません。
よしんばなれても、長続きしませんし、なれるとしても人の悪口やゴシップで成り立っているような雑文家で、とうてい人の心を打つような作品は書けません。
なぜか。
小説というのは、結局のところ基本的には人間のドラマです。
なのに人の気持ちがわからない人間が、どうして書けるでしょうか。
ましてや人を感動させるものを。
ミステリーでも同じです。ぎりぎりまで人間描写をそぎ落としたタイプの、トリックだけを主眼した極端な本格ものなら、まだ可能性がありますが、人の気持ちがわからないのですから、登場人物に読者が感情移入できません。
よって、読んでも「なんじゃ、こりゃ」というような不可解さが目立ち、読後感が不愉快なものになりかねません。
ただ、そういう性格の人がもし性格を直すことができれば、作家になれます。これは当然です。
「でも、おまえ、占い師でもあるんだろう? 占いで人の性格を当てられるんだったら、人の性格って生涯あんまり変わらないものなんじゃないのか」
そういう質問もありそうです。
お答えします。星の配置や座相によって、確かに性格は判断できますが、星の力はその人の性格で出る場合と、具体的な出来事で起きる場合があります。
性格がもしよい方向へシフトした場合、その運気は別な形を取って現れるということが言えます。
よって「未来は何も決まっていない。どのようなことでも起こり得る」のです。
だから私がここに書いたこと、これはあくまでも現状の段階で、という但し書きをつける必要があります。
さて、人の気持ちがわからない人。
胸を手を当てて過去を振り返ってみてください。
でも、ひょっとしてわからないかな? だって、全くわからないからそういう言動を繰り返してきたわけだから。