能登半島地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます。
報道によると通信ができないと。
いつも思うことです、アマチュア無線をなぜ利用しないのか。
アマチュア無線を公衆電気通信網に一時的に組み込むという発想がないのか。
国際電気通信条約ではアマチュア無線局・アマチュア無線技士には自発的な通信以外を禁じています。
しかし緊急時には例外として業務使用が認められています。
携帯電話が普及する前、自宅で開業されているドクターの診療所には大きなアマチュア無線用のアンテナがあげられ、各地の医師会の事務局のある医師会館にはアマチュア無線用のアンテナがあげられていました。
災害時には業務使用するための準備でした。
携帯電話は基地局がないと通話できませんが、アマチュア無線局は小さなハンディ機であっても独立した無線局です。
アマチュア無線技士の資格を持っている方は小学生のアマチュア無線技士でも、変調方式がFMで交信するとき了解度が悪ければスケルチ回路を操作してノイズの中から相手局の送信内容を了解します。
その時には邦文なら旧郵政省の定めた和文通話表に則り『いろはのイ』『ローマのロ』『はがきのハ』から『おしまいのン』。
欧文ならICAO式の『A アルファ』『B ブラボー』から『Z ズールー』で送受信しています。米軍式を使う方もおられますが少数派です。
免許のいらない特定小電力無線機や令和3年に廃止されたパーソナル無線局で交信している人たちにはこのようなスキルはないと思います。
また、国際電気通信条約では短波帯で運用するアマチュア無線技士にはモールス信号の送受信ができることを求めていますが、日本では第4級アマチュア無線技士にはモールス信号の試験がありません。
世界的にもまれな短波帯でも運用できるノーコードライセンスです。
欧米ではアマチュア無線技士でモールス信号の送受信をできないときは超短波帯以上の周波数帯でしか許可になりません。
これは太平洋戦争が終わり電波行政が日本の手に戻ってきたときのこと、主管官庁である旧郵政省の担当官は考えました。
今次の大戦で大負けした原因の一つに米英と我が国とのあいだの無線技術の差があったから、と。
今後は我が国の青少年に広く電波技術に触れる機会を与えて技術立国・電波立国にしていこうという願いがあったそうです。
それから1世紀近く閲し主務官庁の担当官は取り締まる方に傾いている感があります。
東大に行くお利口さんはアマチュア無線なんかしていないでひたすら受験勉強に向かっていたのかもしれません。
災害時には電気が来なくなります。
実際、能登では停電が続いているところがあります。
アマチュア無線家はいろいろ実験する人がいます。
NHKのような大出力のラジオ電波をコイルで受信してそこから誘電発電して低出力の送受信機を作動させるという実験。
ちゃんと送受信できたそうです。
停電でも基地局がなくても無線局として通信可能、それがアマチュア無線局です。
例えば米国本土のディズニーランドに行くときアマチュア無線のトランシーバーを持っていくと災害・有事の際には協力するよう依頼されるそうです。
TDLやUSJでそのような制度があるとは聞いていません。TDLができたころにアマチュア無線のトランシーバーを持っていったら没収されかけたという話を見分しました。
いまでもそうのかなぁ。
富士山の噴火、次の関東大震災、東海や東南海地震はいつ来るかわかりません。
アマチュア無線が広がればと思います。