形から入って形で終わったことある? ブログネタ:形から入って形で終わったことある? 参加中



小生、少しだけ茶道の心得があります。


表千家です。


小生が甘党なのは友人・知人は皆知っていますから、


お菓子に釣られてと思ってる連中もいます。


妹が通っていた近所の池坊流の華道教室の先生は


表千家の茶道師範でもありましたので門を叩きました。


菓子に惹かれたのではありません。


高校生の頃、購読していた科学雑誌に出た小さな記事がきっかけです。


その記事によると・・・。


お茶の産地の静岡県農業試験場が行った研究で、


茶道の達人がお作法通りにお茶を点てると。


つまり、最初に茶筅とお茶碗をお湯で洗う。


この行程で器を温めます。


その後、茶筅が折れていないか点検し、


そして棗と茶杓を袱紗で清めます。


表千家の男出前では袱紗を伸ばすときに『パン』と音を立てて、


女出前では音を立てずに伸ばして清めます。


この間に器と茶筅の温度は下がります。

そして、棗から抹茶をお茶碗に入れて、


お湯を注いで茶筅でお茶を点てます。


そして、茶碗の絵柄の向きを確認して、


男出前では亭主は茶釜の方を向いたまま


客に茶を勧めます。


女出前では女亭主は茶釜から客の方に向きを変えて


居住まいを正してから茶を勧めます。

この間にお茶碗の中のお茶の温度は下がります。


そして客が茶碗を受け取って、絵柄の向きを変えて戴く。


この間の温度変化を辿ると、お湯の温度は


抹茶の旨味成分が一番抽出されやすい温度帯に保たれる。


と言う様な研究結果が発表されたそうです。


静岡県農業試験場がサンプリングに使ったのが


茶道のどの流派だったのかは分かりません。


茶道って形だけの物と思っていましたが経験的な様式美の中に、


理想的な温度変化をはめ込んだのが茶道と、


少しだけ習って感心しました。


実際に通ったのは大学の夏休み。


先生には夏休みの4回しか通えませんので、


野点や茶席で恥をかかない程度の稽古をお願いしますとお願いしましたが


いろいろと教えて下さいました。


おかげで、にっぽん丸のクルーズでは


乗り込まれていた裏千家の御師匠さんと話が弾みましたし、


パシフィックビーナスの茶会でも、臆することなくお茶を戴けました。


とは言っても、4回ですから形から入って、まだ終わるところまで行ってません。


お茶の短期のお稽古で感じたのですが、


日本のいわゆる花嫁修業の双璧はお茶とお花。


両方とも世襲制の家元を頂点とした確固とした家元制度を保持しています。


両方とも形から入ることになりますが、


このことと家元制度は不可分の関係にあると思います。


華道を例に取ると。


華道の家元、幼少からトレーニングを受けているから


美的感覚は常人よりは鋭いと思います。


でも、代々鋭い人ばかりとは限りません、


失礼な言い方かも知れませんが凡庸な家元もおられるかも知れません。


美的感覚の鋭い革命的な家元が誕生して、旧来の形式美を打ち破るとしても


それは数百年に一度か二度ぐらいの頻度ではないかなと思います。


そこで、形式美を伝授することで革命的な家元が誕生するまでの


数百年間はフツーの家元が家元を務める。


このことが家元制度と形からはいる芸事が


不可分である理由と思います。