「冬瓜」って名前なのに夏野菜? ― 名前に隠された秘密と薬膳的効能
夏の食卓を涼やかに彩る野菜のひとつに「冬瓜(とうがん)」があります。透明感のある淡い緑色、みずみずしい果肉、そしてさっぱりとした味わい。スープや煮物にすると体の熱をスッと冷ましてくれるような食感は、暑い季節にぴったりです。ところがこの冬瓜、名前のせいで誤解されやすい野菜でもあります。「冬」と書くのだから冬の野菜?と想像する人も少なくありません。実は冬瓜は、まさに夏が旬。しかも漢方や薬膳の世界では「夏のむくみ解消・熱中症予防」に最適な存在なのです。
■ 「冬瓜」という名前の由来
冬瓜はウリ科の植物で、7月から9月にかけて収穫の最盛期を迎える立派な夏野菜です。ではなぜ「冬」という字がつくのでしょうか。これは冬瓜の保存性に由来しています。収穫した実は皮が厚く、冷暗所に置いておけば冬まで保存がきくため「冬までもつ瓜」→「冬瓜」と呼ばれるようになったといわれています。決して冬にできる野菜ではなく、“夏にとって冬まで保存できる”という特徴を表した名前だったのです。名前にダマされやすい代表例と言えるでしょう。
■ 栄養と薬膳的効能
冬瓜の特徴は、その圧倒的な水分量。約95%が水分でできており、カロリーも非常に低め。ビタミンCやカリウムを多く含み、疲労回復や利尿作用に役立ちます。
漢方や薬膳の視点では、冬瓜は「清熱利水(せいねつりすい)」の食材とされます。つまり、体の余分な熱を冷まし、体内の水分代謝を整えて余分な水を尿として排出してくれる働きがあるということ。夏場は汗をかいても水分が体に滞留しやすく、だるさやむくみの原因になります。そんな時に冬瓜を食べれば、涼をとりつつ体を軽やかにしてくれるのです。
■ むくみスッキリ、熱中症予防に
特に女性にとって気になるのが「むくみ」。夕方になると脚がパンパンになる、顔がむくんで化粧ノリが悪い…。こうした症状は体の水分代謝が滞っているサインです。冬瓜はカリウムを豊富に含むため、余分なナトリウムを排出し、体の水はけを改善します。利尿作用によって「水毒」をさばき、体をスッキリ整えてくれるのです。
さらに、夏の暑さで火照った体を冷ます効果も。特に熱中症の予防や、夏バテによる食欲不振にも役立ちます。消化吸収のよい淡泊な味わいは、胃腸にやさしく、体力が落ちているときにも安心して食べられます。
■ 冬瓜の食べ方あれこれ
冬瓜はクセがなく、和・中・洋どんな料理にも使える万能野菜です。
冬瓜の煮物:だしを含ませるとトロリとした食感に。胃腸にやさしい一品。
冬瓜スープ:鶏肉やえびと合わせると旨味が染み込み、清涼感ある薬膳スープに。
冬瓜とハムの炒め物:油との相性もよく、あっさりしながらも満足感あり。
冬瓜の皮・種も活用:皮を干して煎じれば利尿効果のある「冬瓜皮茶」、種は咳止めや痰切りに使われる生薬「冬瓜仁」として重宝されます。
まるごと余すところなく使えるのも冬瓜の魅力です。
■ 東洋医学でみる「冬瓜の性質」
漢方では食材を「性(温・熱・平・涼・寒)」や「味(酸・苦・甘・辛・鹹)」で分類します。冬瓜は「性=涼」「味=甘」に属します。つまり体を冷やし、穏やかに作用する食材。暑気あたりや喉の渇き、浮腫みなどに適していますが、冷え性の人や胃腸が極端に弱い人は食べすぎに注意が必要です。
■ 江戸時代から愛された夏の養生食
冬瓜は江戸時代の料理書にもたびたび登場します。夏場の武士や町人が、暑気あたりの予防に冬瓜を煮て食べた記録も残っています。特に大きな実は保存性が高く、夏から秋にかけての長い間、庶民の食卓を支えました。医食同源の考えが根づいていた江戸の人々にとって、冬瓜は「涼をとる薬」として欠かせない存在だったのです。
「冬瓜」という名前にだまされがちですが、実は夏が旬の野菜。冬まで保存できる性質からその名がつきました。薬膳的には「清熱利水」、つまり体の余分な熱と水分を取り除く作用があり、むくみや夏バテ、熱中症対策に最適です。煮物やスープとして食卓に取り入れれば、体を内側からスッキリ整えてくれるでしょう。
夏にこそ食べたい冬瓜。名前の不思議を知ることで、日々の食事が少し楽しく、そして養生につながるものになるはずです。
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