薬膳で人気の「なつめ」。でも中国では「1日3粒で老けない」と言われる。日本なら“天然のサプリメント”。

「なつめ」――1日3粒で老けない? 薬膳で愛される“天然のサプリメント”

 薬膳の世界で圧倒的な人気を誇る食材のひとつが「なつめ(棗)」です。小ぶりの赤い実で、乾燥させたものは漢方薬局やスーパーでもよく見かけますね。ほんのり甘く、そのまま食べてもお茶にしても美味しい。古代中国から「なつめを1日3粒食べると老けない」と言い伝えられ、女性を中心に“美容と健康の果実”として長く親しまれてきました。

 現代風に言えば、まさに“天然のサプリメント”。鉄分・カルシウム・ビタミンが豊富で、薬膳的には「補血安神(ほけつあんしん)」といい、血を補い心を落ち着ける効能を持つとされます。今回は、そんななつめの魅力を漢方の視点と現代栄養学の両面からご紹介します。


■ 中国のことわざ「一日三棗、終生不老」

 中国では古くから「一日三棗、終生不老(いちにちさんそう、しゅうせいふろう)」という言葉が広まってきました。意味は「1日3粒のなつめを食べれば、老いることなく長生きできる」というもの。大げさに聞こえますが、それほど滋養強壮・美容効果に優れた果実と考えられていたのです。

 宮廷の女性たちは美しさを保つためになつめを欠かさず口にしていたといわれます。中国の古典『神農本草経』にも上品(じょうほん)の生薬として記載されており、漢方の世界では最も格の高い養生食材の一つとされてきました。


■ 栄養面から見た「なつめ」

 現代栄養学で分析しても、なつめの優秀さは納得できます。

  • 鉄分:貧血予防に有効。女性に不足しがちな栄養素を補える。

  • カルシウム:骨や歯を丈夫にし、ストレス緩和にも関与。

  • カリウム:余分な塩分を排出し、むくみ改善に役立つ。

  • ビタミンC:乾燥果実でありながらビタミンCを多く含む珍しい果物。抗酸化作用で美肌に効果的。

  • 食物繊維:腸内環境を整え、便通改善にも一役。

 こうして並べてみると、まさに「天然のマルチビタミン剤」。サプリメントのように人工的に加工されることなく、果実のままで幅広い栄養を摂れる点が魅力です。


■ 漢方的効能 ―「補血安神」の果実

 漢方や薬膳の視点では、なつめは「甘・平」の性質をもちます。「甘」は緊張をゆるめ体を滋養する働き、「平」は体を冷ましも温めもしない穏やかな性質を表します。

 主な効能は次の二つ。

  1. 補血:血を補う作用。貧血や顔色の悪さ、ふらつきなどを改善。

  2. 安神:心を落ち着ける作用。不眠、不安、イライラなど心の不調に有効。

 そのため、疲れやすい、気力が出ない、顔色が悪いといった「血虚(けっきょ)」タイプの人に特に適しています。漢方薬にもよく配合されており、例えば「帰脾湯」「十全大補湯」など滋養強壮系の処方には、必ずと言っていいほど登場します。薬効と美味しさを兼ね備えた貴重な生薬なのです。


■ 女性にうれしい効能がいっぱい

 なつめは特に女性の強い味方です。

  • 貧血対策:月経や出産で血を失いやすい女性に必須。

  • 美肌効果:ビタミンCや抗酸化成分でしみ・しわ予防。

  • 冷え改善:血を補うことで巡りをよくし、冷えや生理痛を和らげる。

  • 精神安定:安神作用でPMSや更年期のイライラ、不眠をサポート。

 現代女性のライフスタイルは忙しく、ストレスや食生活の乱れで「血」が不足しがち。なつめをおやつや料理に取り入れるだけで、日々の体調がぐっと整いやすくなります。


■ 手軽に取り入れる方法

 なつめはそのままドライフルーツとして食べてもいいですが、薬膳的には「煮出す」「煮込む」と効果がさらに引き出されます。

  • なつめ茶:なつめを数粒、やかんで煮出して飲む。ほんのり甘くリラックス効果あり。

  • 薬膳スープ:鶏肉やクコの実、生姜と一緒に煮込む。疲労回復に最適。

  • 薬膳粥:米と一緒に煮て、朝食や胃腸の弱いときにおすすめ。

  • おやつ感覚で:ヨーグルトやナッツと合わせれば、ヘルシーなデザートに。

 ポイントは「1日3粒程度」を目安に無理なく続けること。食べすぎはお腹を緩くすることもあるので注意しましょう。


■ 日本人となつめ

 日本でも古くからなつめは栽培されていました。庭木として植えられたり、漢方薬の原料として輸入されたり。近年は健康志向の高まりから再注目され、自然食品店や薬膳カフェなどでもよく見かけるようになっています。

 ただし日本人にはまだ「なつめ=漢方の食材」というイメージが強く、日常的に食卓に並ぶことは少ないのが現状。ですが、そのままお茶うけやおやつにすれば違和感なく取り入れられます。まさに「現代人こそ食べたい果実」と言えるでしょう。


■ まとめ

 「なつめを1日3粒で老けない」という中国の言葉は、決して誇張ではありません。鉄分やビタミン、抗酸化成分が豊富で、薬膳的にも「補血安神」の働きを持つなつめは、まさに天然のサプリメント。特に女性にとっては、美容・健康・心の安定を支えてくれる頼もしい味方です。

 薬膳料理やお茶として取り入れれば、体はもちろん心まで優しく癒されるでしょう。毎日の習慣にすることで、「今日も元気に、美しく」を叶える食材。それが薬膳の女王とも呼ばれる「なつめ」なのです。

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