こんにちはー。


手持ち無沙汰なので今日もブログの投稿でもしようかなと。


久し振りに読書感想文でも。


日本語の奇跡

山口謠司著

2007年新潮新書刊


数年前に買った本なのですが、面白かったので最近また読み直しております。


こう言う、今疑いもなくしている事の由縁を教えてくれる本は自分の考えている世界を拡げてくれるので、とても好きです。。


あいうえお順の五十音図って小学校で習いますが、既に日本語を話している子供たちにとっては、ひらがなを書けるようになるために使ってるだけで、それなら別に「いろは歌」順であっても構わないですよね?


でも、日本語を話せない人が日本語を覚えようとした時に、母音と子音を整理して全ての日本語の発音を表記した五十音図って神がかった物に見えます。母音にKの子音をつければか行、Sをつければさ行の発音が、五十音を覚えれば日本語の発音全てが理解出来るって魔法ですか?


英語を覚える時にアルファベットを覚える所から習いますが、それを覚えた所で英単語は発音出来ません。riceはライスって言う発音をどうやって覚えるのでしょうか。丸暗記?「こめ」は五十音を覚えれば発音できるのです!すげー!


五十音図をひらがなを書く事を覚える為に使う物としか思って無かった自分にとっては正に青天の霹靂だったのです。


ここから日本語とは「話す事」と「書く事」それぞれに意味があるのだと言う興味が湧いて来ます。


元々話言葉には文字はありません。


独自の文字を持たなかった日本人は中国や朝鮮の帰化人から漢字を学びます。漢字の発音を学ぶ一方で自分達が「そら」と言っている言葉を中国では「天」と現すという事を知り、「てん」と言う中国由来の発音が音読みとなり、空を意味する「あま」や「あめ」「そら」をその漢字にあてて読ました発音が訓読みになって行きます。


日本人はなんとややこしい事をするのでしょう。


普通に考えれば漢字の音を使って日本語を表現するのであれば音読みだけで済むはずです。


つまり、万葉仮名です。


これで満足しない日本人。



たぶん、漢字の意味を考えると納得いかなかったのでしょうね。

「よろしく」を「夜露四苦」とかって書いちゃうと、いや、そんな物騒な感じで言ってねーしって思ったんでしょうね。


まあ、当時は漢文が構文として外交文書になっていますから漢文読みの日本語とか混在の頃ですのですったもんだしてそうです。


そんな現在に至る日本語の変遷、平仮名や片仮名と言う「仮名」と言う意味等、チートでこだわり性の日本人がこねくり回してきた日本語が愉快に思える本であります。


しかし、結局、漢字平仮名片仮名外来語織り交ぜ表現している日本語文の大元は私達が日々使っている話し言葉の記号でしか無く、縄文時代から流れる国民性が日本語なのだと、上手く表現出来ませんが、そう感じました。


今は廃れた「字(あざな)」ですが、こうして日本の変遷を見ていくと、もしや現代の「あだ名」はその名残りなのではないかと意味合いも含めて感じたりもし、精神的な部分で変わらない物も形を変えて残ってるのかなとも思えます。


まだまだ書き足りませんが、長いのでこの辺で終わります。