前立腺炎には様々な原因がありますが、その中の一つに大腸菌やクラミジアといった
病原菌が原因で起こることもあります。
クラミジアと聞くと性病というイメージがあるかもしれませんが、
どういった関連があるかここで解説していきます。
日本で一番感染率の高い性病・クラミジア
クラミジアとは、クラミジアトラコマティスと呼ばれる病原菌によって感染する性病の一つで、
日本において感染者が一番多い性病と言われています。
特に感染したからといって症状がほとんどないため、
お互い気づかないままパートナーに感染させあってしまうという事があります。
症状が進行してしまうと、女性の場合はおりものが増えるといったことが見られたり、
男性だとおしっこした時に痛みを感じるといった症状が現れます。
その他にも、クラミジアに感染した性器を口で愛撫するオーラルセックスによって、
喉に感染する、喉から性器に感染するといったこともあります。
喉に感染すると、喉が腫れて違和感や発熱、首のリンパ節が腫れるといった症状が
現れることがあります。
これを咽頭クラミジアと呼ばれる病気ですが、喉が腫れただけでは風邪と勘違いしやすく、
本人が感染に気づかないことがあります。
咽頭クラミジアは軽いキス程度でしたら感染しませんが、
ディープキスやオーラルセックスによって感染する可能性が高くなります。
男性の場合は尿道からクラミジアが感染する
性交渉によりクラミジアに感染した性器または喉に男性器が接触することにより、
性器の粘膜にクラミジアがうつってしまいます。
そしてその菌が、尿道を通じて前立腺に感染することで、
前立腺が腫れ上がることで急性前立腺炎となります。
38℃以上の熱と頻尿、おしっこした時に痛みや、下腹部の違和感、
痛みなどといった症状が現れますが、特に熱が40℃前後までになりますと、
入院して安静にし、菌の動きを抑えるための抗生物質を中心に治療が行われます。
また症状が落ち着いてからも、抗生物質を内服薬で2~4週間程度飲み続けていきます。
ピンポン感染により前立腺炎が再発することも
私達の体は菌に対して免疫力といってある程度抵抗する力を持っていますが、
疲労やストレスなどにより免疫力が落ちると、菌の動きが活発になって
病気になりやすくなることがあります。
ある程度熱や頻尿、痛みや違和感が治まったとしても、
前立腺にまだまだ菌が潜んでいる可能性があります。
中途半端に治療を切り上げてしまうと、再び菌の動きが高まり増殖を繰り返すことで、
慢性前立腺炎といって再び頻尿やおしっこするときの痛み、
下腹部の痛みや違和感などといった症状が現れやすくなります。
また、菌が全て体の中から駆逐されたとしても、パートナーがまだクラミジアを
持っている場合ですと、再感染といってまたうつされてしまうということがあります。
これを一般的にピンポン感染といい、パートナーも一緒に治療していただくことも
必要となります。
また感染を予防するためには性交渉の際にコンドームを付けることが必要です。
まだクラミジアが残っているかもと思った場合は、
積極的にコンドームをつけて相手にうつさないようにすることも必要です。
前立腺炎とクラミジアの関係まとめ
前立腺炎の原因はクラミジア以外にも、
疲労やストレス、体の冷えや長時間座りっぱなしの姿勢などによって起こることもあります。
いずれも泌尿器科を受診して原因を突き止め、適切な治療を受けることが必要ですが、
もしもクラミジアが原因だったとしても、コンドームをつけたりすることで
パートナーにうつしたり、新たにもらったりすることは防げると思います。
なるべく不特定多数との相手の性交渉を控えることも有効です。
前立腺炎となった場合、中途半端に治療をやめてしまうと、
再びクラミジアが繁殖を起こして再発することがあります。
完治するまでには処方されたお薬を飲み続けるなど、
治療を途中で辞めないことが大変重要となります。