先日の衆議院議員選挙で自民党が圧勝した。
過半数を大幅に超える議席を得たため、絶大な支持を受けたものと思われる。
公約の一つに食料品にかかる消費税率を2年間ゼロにするというものがある。
小生はこれに大きな問題があると考えている。
世間では外食産業が挙げられているが、小生は農業に大きな打撃を与えうると危惧している。
食料品にかかる消費税率がゼロになったとしよう。
米農家や酪農家は販売先に農産物を出荷するが、受け取る金額は米や牛乳の代金のみである。
現行制度では、農産物の売上とともに8%の仮受消費税を計上する。
これがゼロになると、仮受消費税は計上されない。
一方、農産物の生産には、種子や苗、肥料農薬等の食品ではないものが必要である。
肥料農薬、種苗は食料品ではないので、これらの購入時には10%の消費税がかかる。
農産物の生産に必要な物資には10%の消費税を支払うが、農産物の売上には相手から消費税を預かることはできない。
これは何を意味するのか。
農家は消費税を払うばかりで、販売時に仮受消費税を受けられず、資金が流出し続けるのである。
潤沢な資金がないと、農業を続けることは困難である。
短期間で資金繰りが悪化し、経営難に陥る農家が続出する可能性が大いにある。
法人なら決算で個人なら確定申告で消費税の還付申告をすればよいと考える御仁がいるだろう。
決算や確定申告は年に一度であり、未収還付消費税を受けるまで決算から数カ月を要する。
潤沢な資金がない限り、農業を継続することは不可能である。
食料品にかかる消費税率をゼロにすると主張する自民党は絶大な支持を受けたが、その裏で解決しなければならない難問がいくつもある。
政治屋はこのことを念頭に置き、仕事に励んでもらいたい。