先日、10月1日時点での大卒の内定率に関する新聞記事を読んだ。
大卒就職内定率は77%であり、調査開始の1996年以降、最高の値を更新した。
電車に乗っていて、憔悴した大学生を見かけなくなったのはこのためだろう。
就職氷河期に就職活動を余儀なくされた者にとっては羨ましい限りである。
当時、大卒で正規の従業員として就職できなかった御仁は数多い。
あの頃は新卒で就職できなかった御仁は生涯、非正規雇用で働かざるを得なかった。
現在も派遣労働者として非正規雇用で働く同年代は数えきれない。
現在、企業は学生の獲得に躍起になっている。
しかし、あの頃、企業は「昨年より採用者を減らします、いい人がいたら採用します」の一点張りだった。
完全な買い手市場であり、積極的に採用活動を行う業界は少なかった。
就職しそびれ、精神を病み自殺する御仁、行方不明で捜索願を出される御仁が周りにいた。
企業とは妖怪のようなものか。
人員が足りていれば、採用を控え、不足すれば積極的に採用する。
非正規労働者を投入し、人件費を抑え、利益を得る。
人材が足りないようだが、就職氷河期に大学生だった御仁も採用してはどうだろう。
新卒よりも年を取り、非正規雇用ではあるものの、即戦力となる御仁は少なくないだろう。
企業側の工夫も足りないのが現状である。