知恵 | 抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 政府が漢方薬の効能を検証する計画を進めている。

 薬1種類につき、100万人規模の使用者データを集めて分析する。

 漢方薬の効能に対し科学的な分析をし、今後の参考にするのだろう。

 

 小生は常々、疑問に思っていた。

 漢方薬は効くのだろうか。

 フラセボ効果で効いたと認識しているだけではないだろうか。

 

 製薬会社は薬を製品化するまでに莫大なカネと時間をかけている。

 その全てが製品として世に出回ることはない。

 新薬の基礎的な研究から始め、効能に関する実験を繰り返す。

 最終的には国から許可を得るのだが、その過程は壮絶である。

 

 これに対し、漢方薬はどのように扱われているのか。

 製薬会社の新薬開発のような過程を経ることなく、国は漢方薬を認めている。

 この効果の検証は誰が行っているのだろう。

 服薬した患者から一定規模の効能に関するデータを得ているのだろうか。

 

 漢方薬も製薬会社の薬剤のように効くのなら、化学物質レベルで両者は酷似しているのだろうか。

 だとすると、漢方薬が肉体に与える影響を詳細に分析する必要がある。

 だが、現状ではそのような分析を行うことなく処方されている。

 

 漢方薬は長い時間をかけて、人類が得た知恵なのだろうか。

 国の分析で漢方薬の効く根拠が明らかにされる日を待っている。