先日、夏目漱石全集の刊行に触れた。
新たに全集を出す意味はあるのか疑問であったが、この疑問を解消する見解を見つけた。
没後150年を記念して出版するのではなく、新たに購入を検討する御仁をターゲットにしている。マーケティングの発想である。
新設された学校や図書館等、過去に出版された夏目漱石全集を全巻揃えることが難しい施設に購入を促すのである。
文豪の作品が揃っていない図書館など図書館とはいえない。
岩波書店の夏目漱石没後150年記念という名目で、新設の施設に全集を揃えてもらおうという魂胆であろう。
学校や公共施設等は予算は限られるものの、文豪の作品は一通り揃えたいはずである。
毎月1冊刊行する全集は一度に購入する必要はない。
予算内で購入できる金額であるため、全集を揃えやすいのではないだろうか。