ニュースで気になる言葉がある。
「想定外(又は内)」という表現。
この言葉に違和感と嫌悪感を抱くのは私だけだろうか。
東京電力の原発事故や、海底トンネルの事故等の報道で頻繁に使われている。
テレビから「想定外」、ラジオから「想定外」、新聞から「想定外」。
「想定外」が連呼されるようになったのはライブドア事件を契機とすると考えられる。
某囚人の「想定の範囲内」という発言を機に必要以上にこの言葉が使われだしたのではなかろうか。
「〇〇は想定外です」などと事件を起こした会社の偉い人はいう。
字義的に解釈すると、一定程度は予想はつき、その対処法を万事心得ていると受け取ることができる。
しかし、「想定外」の一言で事件や事故はうやむやにされ、その後の経緯は報道されない。
「想定外」という言葉が免罪符の性格を帯びてきているように思える。
なぜ「予想できなかった」や「予期できなかった」、「想像できなかった」等といった表現をしないのだろう。
「ひらがな」が入るからか。
事実を中立な立場で忠実に報じるマスコミが言葉を自由に操れないのは遺憾である。