累代 両親の生家には大きくて古い仏壇が鎮座している。 どれくらい古いのかよくわからないが、内部に存する木片は真っ黒。 木炭かと思うくらい黒ずんでいる。 古い曼荼羅も黒ずんでいる。 位牌は仏壇の奥に詰め込まれていて、判読できないものが大半。 長い時間をかけて黒くなっていったのだろう。 位牌に戒名が記されている累代の先祖の一人でも欠けたら私は生まれることはなかったのだろう。 仏壇の前を横切るたびにこのようなことをボンヤリと想像する。