超訳 | 抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 小池龍之介編訳『超訳 ブッダの言葉』(ディスカバートゥエンティーワン 2011年)を読んでいる。

 ブッダが残した言葉は『法句経』というお経に残されている。本書はその法句経のみならず、他の仏典も合わせて小池流に現代語訳している。

 現代語訳というより、より分かりやすく意訳している。この意訳を「超訳」というのだろうか。


 本書は12のテーマから仏典を抽出し、超訳している。

 例えば法句経75を以下のように超訳している。

 「ひとつの道はみみっちい利益と名声を追い求めるさびしい道

  もうひとつの道は心の安らぎに至る真理の道

  私の生徒であろうとするなら・・・。」


 友松円諦『法句経』(講談社学術文庫、1985年)によると、法句経75は

 「一つは利益への道 一つは涅槃への道・・・。」(少々難しい)


 という具合に誰にでも理解できるように意訳している。


 頁をめくるのが楽しみだ。