道順 | 抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 午後6時頃、堀川御池(京都の堀川通りと御池通りが交差する辺りの名称)付近を歩いていると、陽に良く焼けたお兄さんに道を聞かれた。

 どうやら下賀茂神社へ行きたいらしい。話をしていると、京都の地理が全く分からないようだ。

 下賀茂神社は京阪の出町柳を北へ上がった辺りにある。

 あれこれ考えて「この御池通りを東へ行って、烏丸通りを北に向かい、今出川通りを東へ行って、加茂川があるあたり」と答えたが、兄さんは地理に不案内のため、分からないようだ。

 

 何とか理解してもらおうと、四苦八苦するがうまくいかない。

 「今いる場所から東へ行くと大きな通りがあるので、そこを北に向かって下さい。そこから今出川通りを東に行って下さい。」

 地理に不案内な人に道を説明するのは難しい。


 兄さんは「大きい通りを左に曲がって、しばらくしてから右に曲がるんやな、どうもすんません」といいトラックに乗り込む。

 懇切丁寧に教えられなかったので、こちらが申し訳ない気持ちになる。


 お兄さんは下賀茂神社へ無事に行けたのだろうか。


 私は国籍を問わず、なぜかよく道を聞かれる。