斎藤孝『読書のチカラ』(大和書房、2011年)を読了した。
著者は教育学やコミュニケーション論、身体論を専門とするが、以前から読書の必要性を説いていた。
本書は以前、岩波書店から出版された『読書力』(岩名新書、2005年)を思い出させる一冊である。
本著では、時の流れという風雪に耐え抜いた「古典」を読み込むことの重要性を説いている。
著者は生きる力に古典が重要な役割を果たすとする。
古典は生きるための羅針盤になりうるのだ。
また、読書を通じて「問題発見能力」を得ることが可能であるとする。
問題意識を常に持ち、新聞や書籍と対峙することによりその能力を磨くことができる。
「問題発見能力」は学問の世界だけでなく、ビジネスの場面でも重要である。
薄っぺらいチープな書籍が爆発的に売れている。
このような書籍では、生きる羅針盤と問題発見能力を培うことはできないだろう。