こんにちわ。
寺庭のたまごです。
涅槃会でさせていただいた法話の内容について。
(こちらの続きです)
そもそも涅槃とは・・・
人類最古の言語の一つであるとされるサンスクリット語で
”ニルヴァーナ”を訳したものです。
原義は吹き消す、
すなわち煩悩の火を吹き消すことです。
*
吹き消す・・・というエピソードで、
今回は『無門関講話』という本から
第二十八則「久響龍潭(くきょうりゅうたん)」
というお話をご紹介しました。
簡単にどんなお話かというと、
徳山(とくさん)和尚が
龍潭(りゅうたん)和尚を
訪ねた時のことです。
徳山和尚が夜遅くまで禅について
龍潭和尚に教えを請います。
夜も更けたのでそろそろ帰りなさい、と
龍潭和尚に言われ、
戸を開けると外は真っ暗でした。
これを使いなさい、と
龍潭和尚が灯りを手渡そうとしたその刹那・・・
なんと龍潭和尚は
その灯りをフッと吹き消すのです。(!)
そこで徳山和尚は何かを悟りました、
というお話です。
*
さて、徳山和尚は何を悟ったのでしょうか。
これにはたくさんの解釈があります。
法話では和尚の考えをお話させていただきました。
目の前にさっきまで見えていたものが
灯りを消すことによって見えなくなりました。
目の前からなくなったのではなく、
見えなくなったのです。
-見えないようで ”在る”
”在る” けれど見えない-
その真理を龍潭和尚は体験として
徳山和尚に伝えたかったのではないでしょうか。
徳山和尚が追い求めていたのは
明確なる”悟り”でしたが、
悟りというのは
それを追い求めている”姿”そのものが
実は”お悟り”である、と。
お悟りというものは、
暗闇の中に
”無い”ようで”在る”もの。
私達はそれぞれの生活の中で、
何がお悟りなのか、
見えないけれどそこにある、
ものの存在を見ようと
しっかりと目を見開いて
模索し続けること。
それこそが、
”お悟り”なのでしょう。
*
法話では他に、
涅槃図に描かれる川や、
お釈迦様のお母様など登場人物についての絵説き(えとき)を
させていただきました。
時折笑いがおこったりと
和やかにお話ができました。
ありがとうございました