全日本東京倶楽部バンド -56ページ目

萬福の中華そば

今日は朝から気合が入っていた。先日のリベンジに萬福へ行く!と決めていたからだ。

今日の日中はまさに残暑。日差しも厳しく遠くまであるくのはちょっと厳しいかも。それでも萬福の手前にある船見坂には目もくれず萬福へと歩を進める。それよりもっと手前にある梟にはちょっと心が動いたが。

さて萬福は並んでこそいなかったがおいらが入ってちょうど満席。時刻は1時半。やっぱり繁盛している。カウンターの端の席に座る。でも隣の女性はラーメンではなく定食を食べている。そういやここは別にラーメンの専門店ではないのだ。ただしランチタイムはラーメン中心のメニューだ。おいらは中華そば(650円)に煮玉子(100円)を注文する。

出てきたのはシンプルにまとまったまさに“ラーメン”のイメージそのもののラーメンだ。

三角形の卵焼きが特徴だが、メンマ・チャーシュー・ほうれん草がバランスよく配置されていて見た目が美しい。丁寧な仕事って感じがする。

スープは熱すぎずまさに飲み頃。ダシの味はほとんどしなくて代わりに“醤油”が自己主張している。ラーメンのスープで“醤油”を意識したことは初めてだ。もちろん直接的な醤油ではなくて「このダシはう~ん・・・醤油!」って感じなのだ。もちろん美味い。

麺は細めだったがしっかりとした歯ごたえがあってこしがある。どこかで食べたような気がして記憶をたどったらおそらく昔の桂花の麺(今もあるか)に近い気がする。これだけこしがあれば細めんでもおいらは満足だ。

煮玉子は二つに切られている。ラーメンの煮玉子ってかつては二つに切られていたもんだが(そのかわり半分しかのってなかった)、こうしてもらえると食べやすい。で、この煮玉子の黄身はとても甘い。こんなに甘い(もちろん美味い)玉子は食べたことがないなあ。なにか味付けをしているのだろうか。

とまあ、すべてにおいて合格点がつけられるラーメンなのだが、最近のお約束どおり終盤にかけて飽きが来そうな感じがしていたのだが、最後まで押し切ることが出来た。それはやっぱりスープだ。終盤にかけてスープの美味さが際立っていった。まさに老舗の完成品だ。

食べながら頭に浮かんだのは王監督の話。それは“王監督の実家は中華料理屋さんなのでラーメンには熟知している。その王監督はスープは絶対に残さない。スープにこそ旨味・栄養が凝縮されているから”というものだ。その話を実感させるスープであった。

萬福も共楽と同様、ずいぶん昔に一度食べたことがある。おそらく20年近く前だ。したがって共楽の回にも述べたように当時の自分には量が少なかったしさっぱりしすぎていた。そんなわけでずいぶんとご無沙汰していたわけだが、この店のラーメンを評価できるようになったことを喜びたい。

manpuku