クワガタその後
マンションの通路でクワガタを捕まえたことは前に書いた。虫カゴというか飼育ケースに拾ってきた流木を入れて飼っている。昆虫図鑑の飼育ページに乗っていた飼育マット(床に敷くもの。土の類い)と専用の餌をホームセンターに買いに行ったのだが、もうすでにシーズンオフなのか売切れていた。仕方なくチューブ入りの餌だけ買って帰ってみると、うちのかみさんが“なんでも買えばいいと思っている”とおいらの姿勢を批難した。まあ言いたいことはわかるが、かみさんの言うことは理想論であって現実を見るとそれは難しい。
まず餌だがかみさんは「砂糖水だってクワガタは嘗めるんだと教えることが大事だ」と言う。もちろんおいらだって買い物帰りに「パパの子供の頃は黒砂糖をビールで溶いたものをあげていた」とちゃんと話しているわけで、やみくもに買い与えている訳ではない。それにスイカとか水っぽいものを食べさせるとすぐに死んでしまうらしい。長生きさせるなら専用の餌が必要ってことだ。
また土をいったいどこから持ってくる? 全ての地面が舗装されている都市部で勝手に持ち出せる土なんかどこにもない。クワガタが棲んでいると思われる近くの森林公園から土を持ちだしたら犯罪に問われる可能性だってある。今や所有者のいない土地なんてどこにもないもんね。一番安全で確実なのは買うことだろう。ああ書いていてなんだか嫌になってきた。全てが管理されている未来世界はすでに現実のものではないか!
まあそんなこんなで一週間ほど過ぎたある日、長男がもう一匹捕まえて(というよりは拾って)きた。前のより小振りの奴だ。長男はヒラタクワガタだというがどうみても同じコクワガタだ。一緒にしたら喧嘩するんじゃないかと聞いたら、すでに戦わせてみたけど戦わなかったから大丈夫だと言った。
近所の農家から土を調達してくると言っていたかみさんは2週間たった今でも実行していない。果たしてクワガタたちは無事に冬を越せるのだろうか