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全日本武道具空手道~道場訪問記~、今回も空手にまつわる映画紹介という事で、1984年に劇場公開されましたラルフ・マッチオ主演の『ベストキッド(原題KARATE KID』をご紹介致します。
日本国内でも大ヒットを記録し、その後も続編が4作も造られる程の人気シリーズとなり、更にはあのジャッキー・チェン出演でリメイクまで造られた作品です。監督はあのシルベスター・スタローンの出世作ともなった『ロッキー』のジョン・G・アビルドセンがメガホンをとってます。
母親の仕事の都合で引っ越してきたダニエル(ラルフ・マッチオ)は、仲良くなったフレディの誘いでパーティーへ参加し、そこで知り合ったアリに一目ぼれ。2人は急速に惹かれあうが、しかし、そこへ不良グループのリーダーであるジョニーが介入し、執拗にダニエルに対し”いじめ”を展開する。ある夜リンチまがいの暴行を受けていたダニエルを助けたのは、空手の達人でもある老人ミヤギだった…
ワックスオ~ン!ワックスオ~フ!
空手を教えると約束したミヤギがダニエルに対し命じた“車磨き”の時の有名なセリフですね。実際に何をさせられてるかも解らずにただただ雑用の様な事を言われたままに続けていたダニエルも、流石に「やってられないよ!」と投げ出しそうになった時、ミヤギが繰り出す突きや蹴りを自然に受け、捌く事に驚く…
元々プロデューサーの意向として、当時アメリカでも社会問題となっていた“いじめ”に対し何かアクションを起こしたい…といった部分が色濃く反映され、尚且つ空手という東洋の武術に対し、非常に解りやすく、また映画ならではの脚色を加え、エンターテイメント作品として、そして感動作として素晴らしい完成度になっていたと思います。
実際に空手の実践者としての目線や、劇中で繰り広げられる空手の技術等は正直”重要視”する必要はないと思いますし、むしろメイキング映像等を見れば、殆どの出演者が空手経験の無い中、この作品の為にトレーニングを重ねていた事実など、逆に感動すら覚えます。
また、先にも述べました様に、ミヤギはダニエルに対し、ほぼ“防御”しか教えません。事実、ミヤギ自身が戦闘に対し否定的であり、出来るだけ戦わずして解決しようとする平和主義者…しかし、一度闘わなければいけない状況になれば無類の強さを発揮するといった設定も、空手道の精神論に通じる部分を感じる事が出来ます。
ちなみに、主題歌の『モーメントオブトゥルース』は、ロッキーⅢのテーマとして大ヒットを飛ばしたサバイバーが歌ってますし、ラストのトーナメント決勝で鶴の技で勝利するシーン等、ジョン・G・アビルドセン監督ならではのカラーが出てるのではないかと思います。
この作品を見て空手を始めた方もきっと多いのではないでしょうか?